2023 Fiscal Year Research-status Report
鼻副鼻腔癌における個別化治療に向けた発癌メカニズムの解明
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21K06940
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
佐々木 英一 愛知県がんセンター(研究所), がん病態生理学分野, 研究員 (00817116)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 鼻副鼻腔癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
鼻副鼻腔に発生する鼻副鼻腔癌は、頭頸部癌全体の3%程度とまれな癌腫である。しかしながら、その組織像や病因はさまざまでり、鼻副鼻腔乳頭腫(内反性乳頭腫や好酸性乳頭腫など)を由来とする癌、ヒトパピローマウイルス(HPV)関連の扁平上皮癌、SWI/SNFクロマチンリモデリング複合体欠損関連の未分化腫瘍、などがあり、その組織型は多彩である。 鼻副鼻腔癌を対象としたこれまでの検討により、HPV関連腫瘍が約10%、EGFR遺伝子変異陽性の内反性乳頭腫由来の腫瘍が約30%、に認められた。さらに、残りの60%程度のEGFR遺伝子変異陰性かつHPV陰性の症例の中に、SMARCA4やSMARCB1などのSWI/SNFクロマチンリモデリング複合体欠損を有する分化の低い癌、DEK::AFF2融合遺伝子を有する扁平上皮癌、を少数例で見出した。 これらの腫瘍に対して詳細な検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
鼻副鼻腔癌はまれであり、症例を集積している段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
SMARCA4やSMARCB1などのSWI/SNFクロマチンリモデリング複合体欠損を有する分化の低い癌、DEK::AFF2融合遺伝子を有する扁平上皮癌、などの特徴を明らかにするために、検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
症例の蓄積に時間がかかっており、使用額が予定よりも少額となった。症例集積を進めながら、集積された症例に関しては解析を行っていく予定である。
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