2022 Fiscal Year Research-status Report
Control of colon cancer stemness by PAF1 complex
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21K06946
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
青木 耕史 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40402862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 一也 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (50749059)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、大腸癌の癌幹細胞性の遺伝子発現制御機構の解明を目的としている。beta-cateninの安定化は、大腸癌の開始の引き金となるとともに、大腸癌の癌細胞性の維持に不可欠である。一方で、beta-cateninの安定化は、転写因子であるTCF依存性にDNAにアクセスし遺伝子の発現を制御すると考えられているがその分子メカニズムは未解明となっている。本研究課題では、安定化beta-cateninが、(1)DRB sensitivity-inducing factor(DSIF)をRNA polymerase II (RNA PolII) にリクルートすることで、RNA PolII-DSIF複合体の形成を促すこと、(2)さらに、安定化beta-cateninは、CDK9と協調することで、RNA PolII-DSIF-NELF複合体のNELFとRNA polymerase II-associated factor 1 (PAF1) 複合体の交換を促進することにより、RNA PolII-DSIF-PAF1複合体の形成を促進することを明らかにした。その結果、RNA PolII-DSIF-PAF1複合体は、TFIISと複合体を形成することによりRNA PolII複合体の活性化が促される。すなわち、これらの機序により、安定化beta-cateninが癌幹細胞性に関わる遺伝子の発現を誘導することにより、癌細胞性を維持していることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定とした実験を順調に行うことができた。また、実験結果も得ることができたので、研究目的は順調に達成できたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの解析から、安定化したbeta-cateninは、DSIF複合体やPAF1複合体に加えて、NELF複合体をRNA PolII複合体にリクルートすることが分かってきた。そこで、令和5年度は、安定化beta-cateninによりNELF複合体がRNA PolII-DSIF複合体にリクルートされる機序および、大腸癌の癌細胞性の制御におけるNELF複合体の役割の解析を行う。これまでにCTNNB1の発現をconditionalに抑制することのできるTetOff-amiR-CTNNB1細胞を作成している。そこで、これらの細胞で、CTNNB1の発現を抑制して、LGR5ゲノム上におけるNELFの量をChIP-qPCRにより定量する。また、NELFとRNA PolII-DSIF複合体に、安定化beta-catenin、各NELF構成因子、PAF1複合体構成因子がどのように関わるかを、免疫沈降法を用いて解析する。加えて、TetOff-amiR-NELFE細胞を作成して、NEFLEの発現を抑制したときの、癌幹細胞性関連遺伝子の発現レベル、造腫瘍能の変化を解析する。
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Causes of Carryover |
令和4年度は、すでに作成した培養細胞などを用いて実験を進めたこともあり、予定していたよりも培養細胞に関わる消耗品などが少なくて済んだ。一方で、令和5年度は、新たな実験用の細胞を作成することや動物実験のため、予算が必要となる。また、論文の投稿にも予算が必要となる。
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Research Products
(1 results)