• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

難治性神経疾患の克服を目指した神経系血管バリアーの人為的制御手法の確立

Research Project

Project/Area Number 21K06949
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

池田 栄二  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30232177)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 崔 丹  山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40346549)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords血液脳関門 / Basigin / 低酸素 / 炎症
Outline of Annual Research Achievements

血液脳関門など神経系血管バリアーの神経疾患治療への関与は、1)バリアーが‘開いた状態’になり組織微小環境が攪乱されてしまうことが、疾患を難治なものとしている多くの神経疾患が存在すること、2)‘閉じた状態’にあるバリアーが、薬剤の神経組織実質への到達を妨げ創薬の厚い壁となることが挙げられる。したがって、神経系血管バリアーを人為的に制御(‘閉じた状態’⇔‘開いた状態’)する手法が確立されれば、神経疾患の治療に革新がもたらされ、多くの疾患の難治性克服が期待される。我々は、バリアー形成血管内皮細胞の細胞膜に発現局在する糖タンパク質Basiginの阻害により病的に‘開いた状態’のバリアーを‘閉じた状態’に、Basiginの刺激により‘閉じた状態’のバリアーを‘開いた状態’にできることを見出し報告した。さらに、高マンノース型糖鎖修飾を受けたBasiginのみを特異的標的として阻害することにより病的に‘開いた状態’のバリアーを‘閉じた状態’に修復可能であることを示した。
2022年度は、マウス実験系で得られた上記知見の臨床展開(創薬)に向け、ヒト細胞を用いた実験系を確立した。当初はヒト脳血管内皮細胞株での確立を目指したが安定した実験系は得られず、ヒト腎近位尿細管上皮細胞株(Basiginを発現し上皮バリアーを形成)での実験系確立に変更し、現時点で機能抗体のスクリーニングを含め今後の解析に有用な実験系が得られている。そして、神経系血管バリアーの人為的制御のための創薬の一歩として、中和活性あるいは刺激活性を有する抗ヒトBasigin抗体の作製を開始し、得られた多数の抗Basigin抗体をスクリーニング中である。また、Basiginを介してバリアーが開く分子機構の詳細について新たな知見が得られ、神経系血管バリアーの人為的制御の新規標的分子候補の特定に向けた研究を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでに得られた知見の臨床展開(創薬)に向け、ヒト細胞を用いた実験系の確立に成功しBasiginに対する機能抗体の作製へと進んでいる。Basigin分子内での標的領域の絞り込み〔3か所存在するN-結合型糖鎖修飾部位(asparagine; Asn)のいずれが責任部位か〕には若干遅れはみられるが、新規標的分子の特定への糸口となる知見も得られており、研究全体としてはおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

ヒトBasiginに対する機能抗体の作製を進め、神経系血管バリアーの人為的制御手法に向けた創薬として展開させる。
Basiginを介して神経系血管バリアーが開く機構について我々が発見した新規知見の詳細な解析を進め、神経系血管バリアーの人為的制御のための新規標的分子候補の特定を行う。
神経系血管バリアーの動的制御に必須なBasigin分子内糖鎖修飾部位(Asn)の特定に向け、bEnd.3の細胞膜に変異Basiginをドミナントネガティブ変異体として発現させる系を、導入ストレスの低いレンチウィルスベクターを用いた新たな発現コンストラクトを作製するなどにより確立を試みる。その系によりバリアーの動的制御に必須な糖鎖修飾部位を特定し、創薬のためのBasigin分子内標的領域の絞り込みのための情報を得る。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 高マンノース型basigin は血液脳関門の開口に関与する2023

    • Author(s)
      崔 丹、森重拓士、池田栄二
    • Organizer
      第112回日本病理学会総会

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi