2023 Fiscal Year Annual Research Report
RNA activationにおける分子機構の解析
Project/Area Number |
21K06953
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
大野 慎一郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (90513680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 勝義 東京医科大学, 医学部, 助教 (20567911) [Withdrawn]
黒田 雅彦 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (80251304)
原田 裕一郎 東京医科大学, 医学部, 助手 (80570168)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | RNA activation / microRNA / RNA pol II pausing |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で我々は、miRNAによる転写活性化機構(RNA activation, RNAa)の分子メカニズムの解明と転写活性化因子の同定を目的とした。はじめに、miR-34aがZMYND10などの遺伝子の転写を強く誘導することをRNAaの評価系として確立した。続いて、miR-34aによる転写活性化が、間接的な影響ではなく、プロモーターから発現するlncRNAを介した、直接的な作用であることを明らかにした。また、これまでに知られていた核内AGO/TNRC6複合体だけでなく、DDX21/CDK9複合体が転写活性化因子として重要であることを同定した。さらに、RNAaにおける転写活性化は、転写開始点の近傍で停止しているRNA pol IIをCDK9が再活性化することで誘導されていることを示した。これらの結果から、RNAaの転写活性化メカニズムとして、RNA pol II pausingの解除を明らかにし、転写活性化因子としてDDX21/CDK9複合体を同定することができた。また、CDK9の阻害因子としてSmall nuclear RNAの一種である7skRNAがRNAaに関与していることを示した。これまでに不明であったRNAaの具体的な分子機構の一端が解明され、核内miRNAのこれまでに知られてない役割が明らかとなった。以上の研究成果は、Cell Reports誌に原著論文として掲載され、第110~112回日本病理学会総会および第81~82回日本癌学会学術集会にて発表された。
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