2023 Fiscal Year Annual Research Report
Lnk/sh2b3を用いた自己免疫性肝炎モデルマウスの樹立と制御機構の解明
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21K06960
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
森 泰三 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 上級研究員 (40625307)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NAFLD / 肝線維化 / 脂肪肝 / 炎症性サイトカイン / CD8陽性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. NAFLD病態形成におけるLnkの関与と制御機構の解明 Lnk 欠損マウスは定常状態においては野生型マウスに比して肝重量の変化を認めないものの、高脂肪食の給餌よって肝臓重量が急激に増加し、肝障害マーカーAST/ALTが劇的に上昇した。肝臓の病理学的解析より、Lnk欠損マウスは野生型に比して高脂肪食給餌初期より肝臓脂肪の蓄積増大が生じており、高脂肪食給餌18週において線維化の著明な亢進を認め、肝硬変様の表現系を示した。また、Lnk欠損マウスの肝臓では炎症性サイトカインおよび細胞障害性サイトカインの発現増加が認められた。NAFLD病態増悪は免疫細胞特異的Lnk欠損マウスにおいても再現され、免疫細胞が責任細胞であることが示唆された。免疫細胞のシングルセル解析およびFACS解析より、Lnk欠損マウスの肝臓におけるメモリーCD8陽性T細胞への著明な分化亢進が明らかとなった。Lnk欠損マウスに対して連続的なCD8の枯渇、あるいはIL-15の欠損はLnk欠損マウスの病態増悪を抑制した。Lnk欠損CD8T細胞はin vitroにおいてIL-15のシグナル反応性亢進、エフェクターメモリーへの分化が増加している事を明らかにした。以上の結果より、Lnk欠損マウスにおいて炎症-脂肪化-線維化のpathwayが増幅しており、病態抑制因子としての重要な制御機構が明らかになった。 2. NAFLD患者/モデルマウスにおけるLnk発現変化の同定 脂肪肝とLnk発現の関連を明らかにするため、ヒトNAFLD検体およびマウスの発現解析を調べたところ、NAFLD肝臓においてLnk発現は減少する事が明らかになった。LnkレポーターマウスをNAFLDモデルに供して解析した結果、CD8陽性T細胞のLnk発現が有意に減少することを明らかにし、CD8陽性T細胞の割合とLnk発現は逆相関している事を見出した。
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Research Products
(2 results)