2021 Fiscal Year Research-status Report
Spacio-temporal analysis of the chemokine system during the course of aortic aneurysm formation
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21K06966
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
向田 直史 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (30182067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 智久 金沢大学, がん進展制御研究所, 准教授 (00452095)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ケモカイン / 大動脈瘤 / マクロファージ / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
大動脈瘤の多くは動脈硬化を基盤として発生し、緩徐に進展・増大し、一定以上の大きさになると破裂し、突然死を始めとする重篤な病態を引き起こす。動脈硬化はマクロファージ浸潤をともなう炎症反応を示し、大動脈瘤の発生から進行過程に深く関与していることから、本研究計画では、マクロファージの遊走・活性化に関与している種々のケモカインに焦点を当てて、大動脈瘤の進展過程の分子機構を解明し、大動脈瘤進展抑制の新たな治療戦略の開発の基盤形成を目指す。 大多数の大動脈瘤の発症に関与していると想定されている動脈硬化巣の成立には、マクロファージ由来のfoam cellsが重要な役割を果たしていることが知られている。我々の検討(Nature Communications)からも、大動脈瘤成立過程においてもマクロファージが重要な役割を果たしていることが明らかになった。一方で当初の予想と反して、マクロファージの遊走・活性化に作用することが知られているケモカインCCL3が、マクロファージの大動脈瘤病変部位への浸潤に関与していないのみならず、マクロファージによるMMP9産生を抑制することも、我々の研究から判明した。 これらの研究成果から、大動脈瘤形成過程におけるマクロファージの浸潤・活性化が、CCL3のみならず、複数のマクロファージ指向性のケモカインによって、動脈瘤発生から進行過程において時空間的に広範囲に、協調的に制御されている可能性が示唆される。これらの点を解明するために、本計画ではまずCaCl2誘発大動脈瘤発症実験を、CCL3に対するレセプターであるCCR1を欠損したマウスを用い、野生型マウスの場合と比較した.しかし、動脈瘤発生部位の肉眼的観察および,病理組織学的検討において,CCR1欠損マウスと野生型マウスの間に有意な差を認めなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
我々の以前の検討において,CCL3がCCR5を介して大動脈瘤形成に重要な役割を担っていることが明らかとなった.今回のこれまでの検討で,CCR1欠損マウスは野生型マウスと同程度の大動脈瘤を形成したことから,大動脈瘤形成においてCCR1は主要な役割を持っていないことが示唆された. 研究計画調書に記載している、その他のマクロファージ指向性のケモカインに着目して検討する.具体的には,マクロファージ指向性ケモカインのレセプターであるCX3CR1を欠損したマウス,ならびに野生型マウスを用いて,CaCl2塗布による大動脈瘤形成を誘発し,動脈瘤発生部位の肉眼的観察および病理組織学的検討を行う.CX3CR1欠損マウスと野生型マウスの間に有意な差が認められた場合,組織中のサイトカインおよびケモカインの発現を定量し,大動脈瘤発生過程におけるそれらの病態生理学的役割を検討する.さらに,CX3CR1陽性細胞の細胞機能を,抗体投与やsiRNA処置により検証する.
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Strategy for Future Research Activity |
CX3CR1欠損マウス,ならびに野生型マウスを用いて,CaCl2塗布による大動脈瘤形成を誘発し,動脈瘤発生部位の肉眼的観察および病理組織学的検討を行う.CX3CR1欠損マウスと野生型マウスの間に有意な差が認められた場合,組織中のサイトカインおよびケモカインの発現を定量し,大動脈瘤発生過程におけるそれらの病態生理学的役割を検討する.さらに,CX3CR1陽性細胞の細胞機能を,抗体投与やsiRNA処置により検証する. また,CaCl2誘発大動脈瘤モデルのみでは,ヒト大動脈瘤病変部位で認められる病変が完全には再現されないことから,アンギオテンシンII誘発モデルを併用して詳細を解析し,大動脈瘤形成の病態解明を目指す.
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Research Products
(3 results)