2023 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト疾患iPS細胞を利用した膵・腸管異常症の解明と再生医療への応用
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21K06970
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤倉 純二 京都大学, 医学研究科, 助教 (70378743)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | iPS細胞 / RFX6 / PDX1 / CDX2 / 内胚葉 / 膵 / 腸管 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
転写因子RFX6は、膵臓低形成と腸閉鎖/奇形を伴う常染色体劣性新生児糖尿病であるMitchell-Riley症候群(MRS)の原因遺伝子であることが知られている。形態学的欠損は後前腸および中後腸の内胚葉系に限定され、前前腸系では生じないが、その機序は未だ完全には解明されていない。本研究では、初期内胚葉発生におけるRFX6の役割を明らかにするために、RFX6+/eGFPヘテロ接合体ノックインおよびRFX6eGFP/eGFPホモ接合体ノックイン/ノックアウトヒト人工多能性幹細胞(hiPSC)株を作製し、in vitroで内胚葉分化を行った。RFX6の発現は、原始腸管(PGT)の段階で、未分化内胚葉や確定内胚葉の段階に比べて急増することがわかった。PGT期では、RFX6の欠損により、後前腸と中後腸のマスターレギュレーターであるPDX1とCDX2の発現がそれぞれ低下した。PDX1+細胞とCDX2+細胞は、RFX6+/eGFP hiPSCではほとんどが緑色蛍光タンパク質(GFP)+であったが、RFX6eGFP/eGFP hiPSCでは細胞数が著しく減少した。前腸マーカーであるSOX2の発現は、RFX6の欠損によって影響を受けなかった。さらに、遺伝子発現seqのcap解析を用いて、推定されるRFX6結合X-boxモチーフを発見し、PDX1とCDX2のエンハンサー領域のモチーフ含有配列がin vitroでRFX6と結合した。このように、RFX6は初期内胚葉分化においてParaHox遺伝子PDX1とCDX2を制御するが、SOX2には影響を与えないことから、初期内胚葉パターニングの欠陥がMRSの形態学的病態の原因であることが示唆された。
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[Presentation] 膵臓移植・膵島移植実施体制の発展に向けた方策 膵島移植予後予測指標による成績評価と発展に向けた課題2023
Author(s)
山根 佳(京都大学医学部附属病院 肝胆膵・移植外科), 穴澤 貴行, 藤倉 純二, 江本 憲央, 出羽 彩, 蘇 航, 長井 和之, 内田 洋一朗, 伊藤 孝司, 石井 隆道, 波多野 悦朗
Organizer
日本移植学会
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[Presentation] 高インスリン血性低血糖症を伴った7番染色体重複によるSilver-Russell症候群の1例2023
Author(s)
勝二 隆志(京都大学 大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学), 山内 一郎, 川崎 秀徳, 岩永 甲午郎, 田中 大祐, 藤倉 純二, 増井 俊彦, 鈴木 寿人, 山田 茉未子, 小崎 健次郎, 稲葉 慧, 和田 敬仁, 小杉 眞司, 植田 洋平, 藤井 寿人, 田浦 大輔, 稲垣 暢也
Organizer
日本内分泌学会
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