2023 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of animal model of pleural malignant mesothelioma for mechanism analysis and development of treatment methods
Project/Area Number |
21K06972
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
横平 政直 香川大学, 医学部, 教授 (70403780)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中皮腫 / 二酸化チタン / 胸膜 / PFD |
Outline of Annual Research Achievements |
実験1(A/J雌性マウスによる胸膜悪性中皮腫発症実験)については、2021年度に7週齢雌性A/Jマウスに0.3mgおよび0.03mg の用量のTISMO(針状二酸化チタン粒子)を胸腔内投与した。悪性中皮腫の発生を期待し、本年度2年目(104週)での剖検を予定していたが、0.3mg TISMO群の生存匹数の減少により83週目に一部の動物について、1群(0.3mg TISMO)8/8匹、2群(0.03mg TISMO)5/15匹、3群(Saline)5/11匹、4群(無処置)5/10匹の剖検を行い、残りの動物は引き続き飼育を継続した。その後、0.03mg TISMO群の生存匹数減少のため98週目に全生存動物について剖検を行った(2群 7匹、3群 6匹、4群 5匹)。98週目の肺のH.E.標本では胸膜肥厚の病変数はTISMO投与群で有意に増加していたが、明らかな悪性中皮腫の病変は確認できなかった。現在中皮細胞の増殖性変化について免疫染色にて検討中である。 実験2(PFDの胸膜肥厚抑制実験)については、2022年度に実験を行い、TISMO投与後12週目に1群(0.3mg TISMO+144ppm PFD)10匹、2群(0.3mg TISMO+1440ppm PFD)10匹、3群(0.3mg TISMOのみ)10匹、4群(TISMO、PFD非投与)13匹について、肺の病理組織標本を作製した。肺のH.E.標本において、マウスあたりの胸膜肥厚の病変数、面積はTISMO投与によりどちらも有意に増加した。PFD投与よる病変数の有意な差は認められなかったが、胸膜肥厚病変の面積は144ppm PFD投与により減少傾向(p=0.056)が認められた。PFDの抗線維化作用がTISMOによる胸膜肥厚の進展に影響している可能性が示唆された。
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