2021 Fiscal Year Research-status Report
遺伝性脳小血管病iPS細胞を用いた病態モデルによる創薬:核酸医薬と既存薬再開発
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21K06983
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
山本 由美 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 上級研究員 (10614927)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CADASIL / NOTCH3 / 遺伝性脳小血管病 / 治療法開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度にCADASILのOPC分化異常に効果がありそうだとわかったPDGFRβ阻害薬について、さらに検討を行った。PDGFRβ阻害薬を血管壁細胞に投与すると、CADASILで見られたPDGF-BBへの反応性異常に改善傾向が見られた。 また、新たにアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)によるエキソン・スキッピングの検証にも取り組んだ。まずは、Ruttenら(2016)によるNOTCH3のエキソン・スキッピングで報告されていたExon 4-5を取り除くAONが、本当に報告通りの効果を持つのか検証した。血管壁細胞に3種類のAONを遺伝子導入し、24時間後にRNA抽出をして調べたところ、Exon4-5が読み飛ばされているのが確認された。また、3つのAONのうち、2つのAONだけでも遺伝子変異の最も多いExon4を読み飛ばすことはできたが、その効率はExon4-5を両方飛ばすものと比べて悪かった。そこで、新たにExon4のAONを設計し、有望そうな1つについて現在さらに解析を進めている。 並行して、Control iPS細胞にCRISPR-Cas9によりR141C変異の導入を試みたが、うまく組換えが起こらず、また新型コロナの流行により一部試薬や人員の安定的な確保が難しくなったため、こちらは一時中断することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の流行により、一部試薬や消耗品の供給が未定となったり、保育所の休園などで欠勤せざるを得ないことがあり、頻繁に作業を必要とする長期間の実験を行うのが困難となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
AONの設計を進めつつ、PDGFRβ阻害薬の動物への投与経路の検討および安全性の評価をおこなっていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナの流行により、安定した人員の確保が困難となったのに加え、一部の消耗品・試薬の供給が大幅に遅れるあるいは納期未定となり、研究計画の見直しをしたため。今後、やむを得ず出勤できない場合の作業人員確保のため、研究補助員に技術の教育を行い、ある程度は代行できるように対応して、実験をすすめる。
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