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2022 Fiscal Year Research-status Report

トキソプラズマ寄生胞膜の破壊を先導するIRGB6とGBPの分子構造と機能の解析

Research Project

Project/Area Number 21K06988
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

西條 由見子 (濱野由見子)  神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (00444513)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsトキソプラズマ / 寄生包膜 / Irgb6 / X線結晶構造解析
Outline of Annual Research Achievements

トキソプラズマに感染すると、宿主細胞はIFN-γを産生し、寄生虫に対抗するために免疫関連GTPase(IRGs)の発現を誘導する。一方、トキソプラズマはROP18キナーゼを産生し、IRGのGドメインのスイッチI領域のスレオニン残基をリン酸化して、トキソプラズマの寄生胞膜への動員を阻害する。この精巧なプロセスが構造的にどのように媒介されているのかという疑問を構造生物学的に解明するため、ROP18によるスイッチI領域スレオニン-リン酸化を模倣したIrgb6変異体を大腸菌発現系を使用して発現し、精製した。
精製したIrgb6変異体は野生型と同様に単量体として得られ、そのGTPase活性を測定したところ野生型に比べて著しく低いことがわかった。
精製したIrgb6変異体の結晶化スクリーニングを行い、結晶化に成功し、大型放射光施設SPring-8にて結晶のX線回折データを収集した。回折データから構造解析を行い、GTP結合型(1.7オングストローム分解能)とヌクレオチドフリー型(2.0オングストローム分解能)の二状態の立体構造を解明した。
これらの構造と昨年解明した野生型Irgb6のGTP型とヌクレオチドフリー型の構造を詳細に比較し、Irgb6のGTPase活性が不活性化される機構を明らかにした。さらにGドメインのスイッチI領域のリン酸化によって膜結合ドメインが構造変化を起こし寄生胞膜への結合が阻害される仕組みも明らかにした。現在、これらの研究結果を軸に論文を作成中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本研究課題開始当初は予期していなかった「トキソプラズマがIrgb6から身を守るための機構」について非常に興味深い知見を得ることができたため。

Strategy for Future Research Activity

得られた研究結果を軸に論文を作成し、発表する。
前年度に引き続き、Irgb6と協働して寄生包膜を破壊するGBP1の結晶化を推し進める。さらに、電子顕微鏡解析のためのIrgb6二量体、および、Irb6-GBP1複合体の形成条件の探索を行う。

Causes of Carryover

PCによる作業(構造解析と論文作成)を優先して精力的に進めたので、消耗品使用額が大きく減額となった。来年度へ繰り越し、これら消耗品の購入にあてる。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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