2021 Fiscal Year Research-status Report
Characteristic analysis of a novel anti-Candida auris substance derived from deep-sea actinomycetes
Project/Area Number |
21K07008
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
金子 幸弘 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90469958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪内 泰志 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (30442990)
槇村 浩一 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00266347)
仁木 満美子 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20438229)
鈴木 仁人 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (70444073)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Candida auris / 深海放線菌 / バイオフィルム形成抑制 / 凝集抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
予備的検討では、抗C. auris物質として深海放線菌の粗抽出物(培養上清)を用いて、in vitroでの活性評価を行った。指示菌として、C. aurisに加え、C. albicans、C. glabrata等の他の菌種を用いて、スペクトルを比較した。発育をする物質だけではなく、C. aurisの凝集を抑制する活性を有する物質を見出した。さらに、菌の接着性ならびに菌体表層疎水性の低下、バイオフィルム形成抑制作用があることも明らかとなった。単離・精製については、生化学的特性を解明するために、抗C. auris活性を認めた放線菌の培養上清から活性物質を単離・精製を進めた。溶媒分配および固相抽出後の精製にはイオン交換カラム、ODSシリカゲル逆相カラム、多孔性グラファイトカーボン充填カラム、ゲル濾過用カラム等を支持体としたHPLCを使用した精製を行った。精密質量分析(MS)やFT-IR分光分析、NMR(一次元、二次元)によるデータ取得のための精製を継続した。作用機序を解明するために、活性物質添加時におけるC. aurisの遺伝子発現を行った。新規物質の標的に関して、関係者との検討を実施した。活性物質産生の代謝経路・生合成経路の解明のために、活性物質産生菌のゲノム解析、遺伝子発現解析などの準備を進めている。また、遺伝子改変により、より活性の高い物質の産生手法を開発するため、異種発現などの可能性などについても検討をしている。in vivoでの安全性・有効性の評価については、マウスでの評価の可能性を検討し、精製が進んだ段階で検討をする予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備的検討として、C. auris、C. albicans、C. glabrata等の他の菌種に対するスクリーニングが進んでいる。C. aurisの凝集を抑制する活性を有する物質や菌の接着性への影響ならびに菌体表層疎水性の低下、バイオフィルム形成抑制作用があることも明らかとした。単離・精製については、生化学的特性を解明するために、抗C. auris活性を認めた放線菌の培養上清から、溶媒分配、イオン交換カラム、ODSシリカゲル逆相カラム、多孔性グラファイトカーボン充填カラム、ゲル濾過用カラム等を支持体としたHPLCを使用した精製を進めている。また、精密質量分析(MS)やFT-IR分光分析、NMR(一次元、二次元)によるデータ取得のための精製の準備も概ね予定通りである。作用機序解明のために、遺伝子発現解析なども進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、スクリーニングと精製を進めるとともに、作用機序解析のための研究も進める予定としているC. aurisの凝集やバイオフィルム形成を抑制する物質については、単離精製を進めるとともに、作用機序についても検討する予定である。新規物質の標的に関して、関係者との検討を実施し、活性物質産生の代謝経路・生合成経路の解明のために、活性物質産生菌のゲノム解析、遺伝子発現解析などの実施を予定としている。また、遺伝子改変により、より活性の高い物質の産生手法を開発するため、異種発現などの可能性などについても、関係者と再度検討を予定している。精製後は、精密質量分析(MS)やFT-IR分光分析、NMR(一次元、二次元)によるデータ取得を計画している。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で学会出張などの旅費が節約できたため。
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