2022 Fiscal Year Research-status Report
Characteristic analysis of a novel anti-Candida auris substance derived from deep-sea actinomycetes
Project/Area Number |
21K07008
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
金子 幸弘 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90469958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪内 泰志 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (30442990)
槇村 浩一 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00266347)
仁木 満美子 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20438229)
鈴木 仁人 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (70444073)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Candida auris / 深海放線菌 / バイオフィルム形成抑制 / 凝集抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
深海性放線菌由来培養上清IMAs2016D-66がCandida auris LSEM0643, LSEM3673株の凝集を抑制する活性を有することを見出した。産生菌の遺伝子解析を実施し、アクチノミセス属の菌種であることを同定した。IMAs2016D-66に凝集抑制活性があることから菌の接着性にも変化があるのではと考え実験を行った結果、IMAs2016D-66には菌体表層疎水性を低下させ、バイオフィルムの形成を抑制する活性があることが明らかになった。臨床分離株を用いた研究では、非凝集株は線虫に対する病原性が高いことが報告されていることから、病原性への影響を調べたところ、IMAs2016D-66添加によりプロテアーゼの産生が増強することが明らかになった。一方、リパーゼの酸性には変化が認められなかった。Rhodamineを用いた排出ポンプ活性の実験では、FLCZ自然耐性株であるLSEM3673株は感受性株であるLSEM0643と比較してRhodamineの排出活性が高いことがわかった。IMAs2016D-66の影響については、LSEM3673株の方にのみ添加による排出の促進が高くなる傾向が観察された。結果の一部は、論文として報告した(Yamane K, Niki M, Tsubouchi T, Watanabe T, Asai K, Oinuma KI, Sakiyama A,Saren C, Matsumoto Y, Makimura K, Kaneko Y, Kawaguchi T. A Culture Supernatant from an Actinomycete sp. Affects Biofilm Formation and Virulence Expression of Candida auris. Med Mycol J. 2023;64(1):7-17.)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前回特定したC. aurisの凝集を抑制する活性を有する物質IMAs2016D-66に関して、産生菌の同定が進んだ。IMAs2016D-66には菌体表層疎水性を低下させ、バイオフィルムの形成を抑制する活性があることを明らかにした。病原性への影響として、IMAs2016D-66添加によるプロテアーゼの産生の増強を明らかにした。排出ポンプ活性への影響も評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、スクリーニングと精製を進めるとともに、作用機序解析のための研究も進める予定としている。IMAs2016D-66については、単離精製を進めるとともに、作用機序についても検討する予定である。新規物質の標的に関して、関係者との検討を実施し、活性物質産生の代謝経路・生合成経路の解明のために、活性物質産生菌のゲノム解析、遺伝子発現解析などの実施を予定としている。また、遺伝子改変により、より活性の高い物質の産生手法を開発するため、異種発現などの可能性などについても、関係者と再度検討を予定している。精製後は、精密質量分析(MS)やFT-IR分光分析、NMR(一次元、二次元)によるデータ取得を計画している。
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Causes of Carryover |
前年度の繰り越しがあり、余剰が生じたことに加え、コロナ禍で学会出張などの旅費が節約できたため。物質同定などの必要な経費として使用する予定。
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