2021 Fiscal Year Research-status Report
時系列的なマイクロ進化を加味した院内感染疫学の新手法開発に関する研究
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21K07014
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
河村 好章 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (80262757)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CRISPR |
Outline of Annual Research Achievements |
既に収集済みのHelicobacter cinaediの院内感染の3事例の合計146株について、CRISPRの配列をサンガー法シークエンサーで決定し、高解像であることを確認した。とくに1事例については、いくつかのクローンに分けられ、それらが病院内の特定のフロア(病室階)で拡散した後、しばらくして、他のフロアに出現していることなどが見て取れ、今までの想像以上に多彩な伝播経路を辿っている可能性が見えてきた。 これまでは、サンガー法シークエンサーでCRISPR配列を決定していったが、他の有用遺伝子検索のためにも、次世代シークエンサーを使い、whole genome塩基配列を決定する必要がある。この部分については計画より遅れており、現時点で類縁菌種も含めて40株ほどのwhole genome塩基配列決定が終了したに留まっている。 本学にMiseqシステムが導入されていることから、早急に自前でwhole genome塩基配列決定を行えるように準備を進めている。 また、システムの本格稼働を見据えて、Helicobacter cinaediの分離株については、他の精査試験時に、合わせて次世代シークエンサーで解析できるように、随時精製ゲノムDNAを抽出し、凍結保存して、準備を進めている。 なお、次年度に計画している東京の1病院からの多数の分離株解析については、分離株を順次受け入れており、次年度に向けて、準備が進んでいるところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Miseqシステムによるwhole genome塩基配列決定の準備に予想外の時間がかかり、本格的な解析に進めていない。
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Strategy for Future Research Activity |
早急に、Miseqシステムによるwhole genome塩基配列決定を効率よく進められる手順を整える。さらに外部のシステムを利用して塩基配列を決定する方法も検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度予算の執行率95%であり、ほぼ予算額を使用しているが、whole genomeの解析が遅れており、多少の残額が発生した。 この残額については、次年度実施予定のwhole genome解析に充てる。
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