2021 Fiscal Year Research-status Report
Study for pathogenesis and high resolution diagnosis of Shiga toxin-producing Escherichia coli infection by metagenomic analyses
Project/Area Number |
21K07017
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
李 謙一 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (80721711)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊豫田 淳 国立感染症研究所, 細菌第一部, 室長 (70300928)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 腸管出血性大腸菌 / 溶血性尿毒症症候群 / メタゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管出血性大腸菌の重症化に関わる因子を同定するために、重症例由来便検体のメタ16S解析およびメタゲノム解析を行った。重症例9事例および、集団感染1事例(20検体)の便サンプルを入手し解析方法の確立を行った。すなわち、DNA抽出はQIAamp PowerFecal Pro DNA Kit(QIAGEN)を用いて行った。メタ16S解析用には、16S rRNA 遺伝子V3-V4領域を対象にしたプライマーを用いてアンプリコンを作製した。ショットガンメタゲノム解析には、QIAseq FX DNA Library Kit(QIAGEN)を用いてライブラリーを作製した。以上のライブラリーを、メタ16S解析ではMiSeqを、ショットガンメタゲノム解析ではHiSeqXを用いて塩基配列を解読した。得られたデータからQIIME2などを用いて、属レベルで細菌の出現頻度を算出した。その結果、重症例由来サンプルであっても大腸菌の頻度は高いとは限らないことが明らかとなった。また、常在細菌叢もサンプルごとに異なっていることが明らかとなった。なお、真菌、原核生物、古細菌についてもアンプリコンシークエンスを行ったが、データ量や出現種の多様性が低く、有意な結果は得られなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
重症例および集団感染由来サンプルが30以上収集され、おおむね計画通りに進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
集団感染事例については、さらに1事例収集しており、今後解析を行う予定である。 ショットガンメタゲノム解析については、外部研究機関とも連携し、解析のスピードアップを図る予定である。 また、Oxford Nanopore社のシークエンサーが利用可能となったことから、16S rRNA遺伝子全長のメタ16S解析手法を確立することで、診断法の確立を目指す。
|
Causes of Carryover |
他サンプルと合同でシークエンスを行うことで、費用を圧縮することが可能であった。今後、圧縮した費用の分で、16S解析のみ行っていたサンプルについてもショットガンメタゲノム解析を行う予定である。
|