2021 Fiscal Year Research-status Report
Functional differentiation of anaerobic bacterial biofilms by post-transcriptional regulation
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21K07018
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
尾花 望 筑波大学, 医学医療系, 助教 (00722688)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウェルシュ菌 / 不均一性 / バイオフィルム / 細胞外マトリクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では嫌気性細菌集団の不均一性形成(機能分化)メカニズムの解明を通して、集団生存戦略機構の理解を目指している。これまでに我々はウェルシュ菌(Clostridium perfringens)バイオフィルム中で細胞外マトリクス(ECM)遺伝子発現が空間的に不均一に発現し、表面付着性(IV型線毛遺伝子)と逆相関していることを見出しており、このことは集団内部には少なくとも2種の細胞(ECM産生 or 付着性)が存在し、多細胞のように役割分担して環境適応していることを示唆している。一方で、どのような分子メカニズムによって遺伝子発現の不均一性が決定されているかは不明な点が多い。そこで本年度は蛍光レポーター系とセルソーターによってECM発現細胞と非発現細胞を分取し、RNA-seqにより遺伝子発現を解析することで、不均一性を決定する因子を同定することを目指した。従来の蛍光レポーター系はその蛍光量が低かったことから、まずはウェルシュ菌をセルソーターによって解析するのに適切な蛍光タンパク質を探索した。探索した蛍光タンパク質を用いた蛍光レポーター株を用いて、ECM産生細菌と非産生細菌をセルソーターによって分取した。また、RNA抽出方法も検討し、高いクオリティのRNAを分取した細胞から得ることに成功した。これらのサンプルを用いてRNA-seq解析を行ったところ、分取のターゲットとしたECM遺伝子と同様に各群で発現が変動している遺伝子を同定した。本遺伝子はウェルシュ菌集団におけるECM産生の不均一性の制御を担っている可能性があり、現在遺伝子の詳細な解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セルソーターによるECM遺伝子発現細胞と非発現細胞の分取、およびその後のRNA抽出とRNA-seq解析に成功した。これによって不均一性形成に関与すると考えられる候補遺伝子を同定できたことから、概ね順調に進展していると考えられる。 また、これまでにECM遺伝子発現は培養温度によって制御されることを見出している。温度はウェルシュ菌の重要な環境シグナルであると考えられることから、異なる温度間で培養したウェルシュ菌のRNA-seq解析を実施し、温度によって遺伝子発現が制御される遺伝子群を同定した。さらに一部の温度によって制御される遺伝子は集団中で不均一な遺伝子発現パターンを示すことが明らかとなり、新規の不均一な発現パターンを有する遺伝子を発見することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA-seq解析によって同定した遺伝子についてECM遺伝子発現との関連性を、遺伝学的および分子生物学的手法を駆使して詳細に解析を進める。これによって細胞集団の不均一性決定のメカニズムの理解を目指す。
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