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2021 Fiscal Year Research-status Report

Investigating the roles of type IV pilus system in regulating enteric infection of bacterial pathogens

Research Project

Project/Area Number 21K07024
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

河原 一樹  大阪大学, 薬学研究科, 助教 (60585058)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords腸管系病原菌 / 定着 / ETEC / IV型線毛システム / 分泌タンパク質
Outline of Annual Research Achievements

薬剤耐性菌問題が深刻化する中、細菌が産生する病原因子を標的とした薬剤開発が注目されている。特に、様々な病原因子の中でも、病原菌の宿主定着に関与する細菌線毛は魅力的な創薬標的と考えられている。これまでの腸管毒素原性大腸菌(Enterotoxigenic Escherichia coli: ETEC)の研究から、ETECが産生するIVb型に分類される線毛(CFA/III)が腸管上皮への付着及びその後の定着において重要な役割を担い、また、線毛先端部において当該線毛依存的に分泌されるタンパク質と相互作用することが腸管への付着能発現に必須であることを明らかにした。本研究では、この新たに見出された“線毛と分泌タンパク質とのインタープレイ”が、ETECを含む腸内細菌が保有するIVb型線毛システムに共通した特徴であることを実証し、また、構造生物学的手法により各細菌の分泌タンパク質の機能を解明することを目的とする。得られた情報から、IVb型線毛システムの腸内環境における役割りを考察し、細菌感染を阻害する新規薬剤開発へ向けた基盤情報を得る。
令和3年度は、現在報告されている代表的な細菌のIVb型線毛システムについて、線毛先端部に局在するマイナーピリンと分泌タンパク質との相互作用解析を実施し、上記のインタープレイがETECだけでなく、その他の腸内細菌科細菌にも保存されている可能性を示唆する結果を得た。また、X線単結晶構造解析の結果から、各細菌由来の分泌タンパク質の球状ドメインは異なる構造的特徴を有することを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

IVb型に分類される線毛は、ETECのCFA/IIIの他に、同じくETECのLongus(Long pilus)、コレラ菌(Vibrio cholerae)のTCP(Toxin-coregulated pilus)、シトロバクターローデンチウム菌(Citrobacter rodentium)のCFC(Colonization factor Citrobacter)などが報告されている。これらの菌についてIVb型線毛と分泌タンパク質とのインタープレイを検証するため、各線毛システムにおいて線毛先端部に局在するマイナーピリンと分泌タンパク質を各々調製し、等温滴定型熱量計により相互作用解析を実施した。その結果、いずれにおいても相互作用が確認された。また、各分泌タンパク質のアミノ酸配列比較の結果から、配列全体の相同性は低いものの、N末端領域に類似性が認められ、当該部位においてマイナーピリンと相互作用すると推定された。興味深いことに、LongusおよびCFCの各分泌タンパク質の立体構造をX線単結晶構造解析により決定し、既知のCFA/IIIおよびTCPの分泌タンパク質と比較したところ、N末端の溶媒に露出したフレキシブルな領域は共通しているものの、球状ドメインの構造的特徴は異なることが明らかになった。

Strategy for Future Research Activity

令和3年度までの研究から、ETECのCFA/IIIだけでなく、同じくETECのLongus、コレラ菌のTCP、シトロバクターローデンチウム菌のCFCなどの各線毛システムにおいてもIVb型線毛と分泌タンパク質の相互作用が保存されていることが示された。また、高度に保存されているマイナーピリンのアミノ酸配列とは異なり、分泌タンパク質のアミノ酸配列及び立体構造は多様性があることも明らかになった。特に、マイナーピリンの配列情報を用いたデータベース検索により、腸内細菌科に属する様々な細菌がIVb型線毛システムを有することが示唆された為、今後は、各細菌のマイナーピリンと分泌タンパク質の相互作用解析、そして、分泌タンパク質の機能解析を実施し、IVb型線毛システムの全容解明を試みる予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 Other

All Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] コレラ菌が形成するIV型線毛TCPの構造解析2021

    • Author(s)
      沖大也、河原一樹、飯森南斗、松田重輝、吉田卓也、大久保忠恭、飯田哲也、中村昇太
    • Organizer
      第44回日本分子生物学会年会
  • [Presentation] コレラ菌が産生する分泌タンパク質とIV型線毛の相互作用解析2021

    • Author(s)
      飯森南斗、沖大也、河原一樹、松田重輝、飯田哲也、吉田卓也、大久保忠恭、中村昇太
    • Organizer
      第44回日本分子生物学会年会
  • [Remarks] 大阪大学大学院薬学研究科高分子化学分野

    • URL

      https://www.phs.osaka-u.ac.jp/homepage/b001/

URL: 

Published: 2022-12-28  

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