2021 Fiscal Year Research-status Report
天然型CpG DNAを取り入れたBCG免疫を賦活する経鼻結核ワクチンの開発基盤
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21K07035
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
前山 順一 国立感染症研究所, 次世代生物学的製剤研究センター, 主任研究官 (40199641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井坂 雅徳 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40336673)
佐々木 永太 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 主任研究官 (40762216)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アジュバント / ワクチン / CpG-ODN / インターフェロンアルファ / 結核 |
Outline of Annual Research Achievements |
CpG配列を含むオリゴDNA(CpG-ODN)であるG9.1の、これまで検討してきた5種類のマウスサロゲートに加え、マウス型ではあるがヒト型配列も考慮した配列5種を加えた。これは、将来の実用化を視野に入れたものである。これら10種類の配列および活性を示さない対照配列について、チオール等の修飾の無い天然型CpG-ODNとして合成した。 これらCpG-ODNの活性についてC57BL/6マウスから採取した骨髄細胞を用い、インターフェロンα(IFNα)産生を指標にELISA法で評価した。その結果、2種類の配列が、これまで検討してきたG9.1より大量のIFNαを産生することが分かった。またIFNα産生には最適濃度が存在し、それぞれ異なっていると考えられる結果が得られた。この2種についてmg単位で合成し逆相HPLC分析およびエンドトキシン測定を行い、精製度を確認した。 また、この2種について、CpG-ODNの受容体であるToll-likeレセプター9(TLR9)、およびIFNα産生増大につながるIFNαレセプター(IFNAR)をノックアウト(KO)したマウスの骨髄細胞を用いて、IFNα産生を評価したところ、TLR9KOでは全く産生されず、IFNARKOではわずかな産生が認められた。IFNαは、経鼻投与での抗体産生増強作用等様々な作用を持ち、これら受容体がG9.1の作用機序に重要であることは明らかであるが、一方で、IFNα産生がG9.1と比較して低いODNも抗体産生について同様な増強作用のあるものも存在し、配列によって異なるメカニズムが存在することが示唆されている。 見出された2種のCpG-ODNについて、骨髄細胞および肺組織における標的細胞の同定とともに抗体産生などのin vivoの反応をG9.1などと比較し解析するための準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CpG-ODNであるG9.1のマウスサロゲートmG9.1新規配列の選別およびノックアウトマウスでの検討は進んだ。また、コロナ感染拡大状況下において制限はあったが、Flow Cytometry多重染色法でのmG9.1応答細胞の解析、およびマウスを用いた抗体産生などのin vivo反応の解析について、準備段階であるが着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
mG9.1新規配列は、マウスでの感染防御実験に用いることに有用であると考えられるが、ヒト細胞での活性も高ければ、ヒトへの応用が出来る可能性が高い。ヒト型としての検討を図ることも必要であると考えられるため、その手始めとして、サイトカイン産生や標的細胞の解析等でヒト末梢血単核細胞への作用を検討することが必要であると考えられるので、その準備を始めた。 一方、抗体産生、細胞性免疫、および感染防御能解析など計画したin vivo反応解析のための動物実験を予定通り進める。
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Causes of Carryover |
年度末納品等にかかる支払いが令和4年4月1日以降となったため、当該支出分については次年度の実支出額に計上予定のものが一部含まれている。また令和3年度は、計上していた学会への参加・発表を見送ったことも起因する。動物実験については、初年度の実験申請に時間を割かれ、少数から採材したin vitro実験のみであり、動物実験およびその後に続く採材検体の解析に必要な動物・アッセイキット・抗体・酵素等の購入がなされていない場合がある。 個々の実験計画が順次終了するに伴い、本研究計画の期間にすべて執行されることになる予定である。令和4年度は、これまで未着手の部分を優先的に進め、学会・論文等の成果発表にも支出する予定であるので、助成金は計画に従い執行される予定である。
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Research Products
(1 results)