2023 Fiscal Year Research-status Report
天然型CpG DNAを取り入れたBCG免疫を賦活する経鼻結核ワクチンの開発基盤
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21K07035
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
前山 順一 国立感染症研究所, 次世代生物学的製剤研究センター, 主任研究官 (40199641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井坂 雅徳 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40336673)
佐々木 永太 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 主任研究官 (40762216)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アジュバント / ワクチン / CpG-ODN / 粘膜免疫 / インターフェロンアルファ / 結核 / 遅延型過敏反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト型のCpG配列を含むオリゴDNA(CpG-ODN)、G9.1のマウスサロゲートmG9.1等10種のCpG-ODNについて、これまでインターフェロンα(IFNα)産生で検討し、2種類の配列がG9.1より大量のIFNαを産生することが分かった。それらについて、結核の防御免疫に関連していると言われているIFNγ産生について骨髄細胞を用いて検討したところ、大量の産生が認められた。また、サイトカインの産生を指標にいくつかのタンパク質や一部のアミノ酸がCpG-ODNの作用の安定性、持続性に効果があることが分かった。さらに抗原としてMycobacterium DNA binding protein 1の組換えタンパク質を用いて同時経鼻投与を行い、血清中の特異的抗体をELISA法で再度検討した。その結果、細胞性免疫との関連を示すといわれるサブクラスIgG2cについても増強効果が認められた。そこで細胞性免疫増強の検証として、遅延型過敏反応(DTH)ヘの影響を検討することとした。モルモットはDTHの観察が容易であるため、まず今回用いることとし低用量のBCGを皮内接種後に2週間間隔3回それぞれのCpG-ODNを単独で皮内投与したところ、明確なDTHの増強は認められなかった。体内への吸収は注射によるものが確実と考えて立案したが、粘膜アジュバントであるコレラ毒素Bサブユニットを同様にブースターとして単独経鼻投与したとき、精製ツベルクリンに対するDTHを増強することが観察されたので、アジュバント物質単独投与の可否およびその投与経路の検討が必要であると考えられた。 見出された2種のCpG-ODNについて、骨髄および肺組織における標的細胞の解析が必要であり、また実際にワクチン候補とするためには結核菌に対する防御効果の検証が必要となるので、その準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト型CpG-ODNであるG9.1のマウスサロゲートmG9.1新規配列のマウス骨髄細胞からのIFNα産生から見て選別し、in vivo反応であるマウスを用いた抗体産生については進んだ一方、多くの実験の結果が予想と異なり、条件検討に時間を取られたうえ、作用機作解析のための新規に準備された機器の習熟、結核菌感染防御実験のBSL3動物実験申請、およびヒト末梢血単核細胞への作用の解析が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
mG9.1新規配列は、マウスでの感染防御実験に用いることに有用であると考えられるが、ヒト細胞での活性も高ければ、ヒトへ応用出来る可能性が高い。ヒト型としての検討を図ることも必要であると考えられるため、その手始めとして、サイトカイン産生や標的細胞の解析等でヒト末梢血単核細胞への作用の解析を進め明らかにする。一方、抗体産生・細胞性免疫増強作用、および感染防御能など計画しているin vivo反応解析のための動物実験を早急に進める必要がある。
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Causes of Carryover |
年度末納品および旅費等にかかる支払いが令和6年4月1日以降となったため、当該支出分については次年度の実支出額に計上予定のものが一部含まれている。予定していた動物実験が現在進行中であり、動物実験およびその後に続く採材検体の解析に必要な動物・アッセイキット・抗体・酵素等の購入が十分になされていない場合がある。個々の実験計画が順次終了するに伴い、すべて執行されることになる予定である。
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