2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K07037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木曽 真紀 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (00624602)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コロナウイルス / 抗ウイルス薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、今や世界各地に蔓延し、2022年4月で累計罹患者数は世界全体で4億9千万人を超え、そのうちおよそ615万人が亡くなっている。その対策ついては、ワクチンと治療薬が重要である。発生当初は既存薬の転用にて、臨床に応用されていたが、現在は世界各地で新規抗ウイルス薬の開発が進められている。 本研究では、新型コロナウイルスに対し効果が期待される既存薬および新たに登場した抗ウイルス薬について、薬剤耐性ウイルスの検出を試み、最終的には確実な治療法の確立を目指す。 今年度は、ヒト気道上皮に存在するセリンプロテアーゼ発現細胞であるVeroE6/TMPRSS2細胞を用いて、新型コロナウイルスに対する各化合物の感受性を確認した。その結果、既存薬であるレムデシビルおよび新規に開発されたEIDD-1931,PF-00835231、開発中のS-217622が抗ウイルス効果を示すことが確認され、臨床での効果が期待される。また、レムデシビルについては、VeroE6/TMPRSS2細胞を用いて薬剤存在下で継代を10回ほど行い、耐性の検出を試みたが、耐性ウイルスは検出できなかった。 今後は、培養細胞を用いて、他の薬剤についても耐性検出を試み、また、ハムスターやマウス等の実験動物を用い、薬剤の効果を確認するとともに、耐性ウイルスの検出に応用していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存薬および新規抗ウイルス薬について、培養細胞にて抗コロナウイルス効果を確認することができ、耐性検出の候補となる薬剤が確認できた。また、レムデシビルについては培養細胞にて耐性の検出を試みるところに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
培養細胞にて効果の確認された化合物について、培養細胞にて耐性の検出を試みる。また、実験動物を用いて、化合物の効果を確認し、実験系を確立する。その後、確立した動物実験系を用い、in vivoにおいても耐性の検出を試みる。
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