2021 Fiscal Year Research-status Report
異分野・新旧融合実験手法による高病原性ウイルスタンパク質の細胞内輸送機構の解明
Project/Area Number |
21K07043
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
浦田 秀造 長崎大学, 感染症共同研究拠点, 准教授 (20614449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 要 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (50437860)
水田 賢志 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (50717618)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウイルスマトリックスタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高病原性ウイルスの内、エボラウイルスそしてラッサウイルスを含むアレナウイルスのウイルス粒子形成に関与するマトリックスタンパク質の細胞内における挙動を分子レベルで明らかとするものである。エボラウイルスにおいてはVP40、アレナウイルスにおいてはZタンパク質がマトリックスタンパク質として機能し、その細胞内単独発現でウイルス様粒子 (VLP)を産生する。 実験目的1. (エボラウイルス粒子産生に関与する新規宿主因子の同定)では研究代表者らがこれまでにエボラウイルス様粒子産生を阻害する化合物を元に、当該化合物に結合する宿主因子の同定を試みた。同定化合物にビーズを付加できるように同定化合物を合成展開し、ビーズに付加した化合物に結合する宿主因子を銀染色法、そして質量分析解析によって2種類のミトコンドリア関連タンパク質を同定した。 実験目的2. (Rabタンパク質群のZ輸送への関与の解明)については該当Rab因子のプラスミドクローニングが思うように進まず、現在もプラスミドのクローニングを引き続き進めている。 実験目的3. (Photo-PPI法を用いたアレナウイルスZと相互作用する因子の網羅的解析)について、アレナウイルスについてはZタンパク質にSNAPタグを付加した組換えウイルス作製を試みた。Zタンパク質をコードするLセグメント発現プラスミドに置いて、SNAPタグを付加したZ遺伝子保有のLセグメント保有のプラスミドの作成に成功したものの、本プラスミドを使用して組換えLCMVの作成は成功しなかった。現在は、プラスミドベースではなく、遺伝子断片ベースで遺伝子組換えウイルスが作製可能であるか検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エボラウイルスVP40に関しては計画通り進んでいる。一方、SNAPタグ付加LCMVについてはプラスミドの作成は成功したものの、組換えウイルスの作成には至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験目的1.についてはエボラウイルスVP40によるウイルス粒子産生において同定したミトコンドリア関連タンパク質の役割の詳細な解析を進める。実験目的2.についてはRabタンパク質発現プラスミドを進める。実験目的3.については発現プラスミドではなく、直鎖DNAの作成からのウイルス回収を試み引き続きSNAPタグ付加LCMVの作成を試みる。
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Research Products
(2 results)