2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒトパピローマウイルス潜伏持続感染に関与する転写因子の探索
Project/Area Number |
21K07047
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
石井 克幸 国立感染症研究所, 病原体ゲノム解析研究センター, 主任研究官 (90342899)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HPV / 複製 / LCR / 転写因子 / HOXC13 |
Outline of Annual Research Achievements |
HPV16,18型初期遺伝子プロモーターの活性化に関わる新規転写因子を探索した。HPVゲノム複製と保持能を有するヒト角化細胞NIKSの網羅的遺伝子発現解析とHPV初期プロモーター制御領域(LCR)結合転写因子予測から、JDP2, CEBPD, FOXL1, FOXP3, HOXC10, MAFB, ZNF750, FOXO1, LYL1, GTF2F2, TSC22D3, ZFP42を選択した。ここから、siRNAによる遺伝子ノックダウンとルシフェラーゼをレポーターにした初期遺伝子プロモーター活性測定および定量PCRによるHPV初期遺伝子発現解析によりJDP2, DEBPD, LYL1まで絞った。 HOXC13とJDP2, DEBPD, LYL1の発現ベクターをそれぞれNIKS細胞に導入し、HPV16, 18型のプロモーター活性を測定した。HOXC13のベクターは活性を上昇させたが、JDP2, DEBPD, LYL1には変化がなかった。 HOXC13発現ベクターを子宮頸外部細胞Ect1および子宮頸内部細胞End1に導入し、HPV16,18型のプロモーター活性を測定した。Ect1, End1ともに活性の上昇が観測され、特にEct1細胞における16型プロモーター活性の上昇が顕著であった。HOXC13はHPV16,18型の初期遺伝子の発現を正に調節することが遺伝子導入実験でも示された。 HOXC13ノックアウトNIKS細胞(NIKS/HOXC13-KO細胞)をレンチウイルスによるCRISPR/Cas9システムで作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NIKS/HOXC13-KO細胞の作成に多くの日数を費やしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
HPVゲノム複製と保持におけるHOXC13の役割をNIKS/HOXC13-KO細胞を用いて明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究の遅延が生じたため。
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