2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K07064
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡崎 朋彦 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (50724598)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | I型インターフェロン / アポトーシス / 翻訳後修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウイルス感染に対して、細胞は主に2つの初期防御応答をする。ひとつはⅠ型IFNを発現して分泌し、自身とその周囲の細胞にウイルス増殖が阻害される抗ウイルス状態を確立するという応答、もうひとつは細胞死を起こしてウイルスの増殖・伝搬を阻害する、という応答である。この2つの応答は状況によって宿主のダメージを起こすため、状況に応じた使い分けが個体生存に必須である。これまでに申請者は、ASKファミリーキナーゼがウイルス感染に対するⅠ型IFN 産生と細胞死誘導応答の選別に関わることを報告した(Okazaki et al., Science Signaling, 2015)。つまり、ASK1 homodimerはIFN発現を、ASK1-ASK2 heterodimerは細胞死を誘導することを見出したのである。しかし、これらのキナーゼがいかにして抗ウイルス応答の選別に関わるかは不明であった。そこで申請者は、抗ウイルス応答におけるASKのリン酸化基質を探索し、IPS-1が基質となることを見出した。IPS-1は、細胞内ウイルスRNAを認識する受容体(RIG-I, MDA5)の下流で誘導されるIFN及び細胞死に必須の役割を果たす分子である。本研究では、リン酸化によってIPS-1の機能がいかなる制御を受けるか調べた。その結果、IPS-1のリン酸化がIPS-1の機能促進に働く可能性を見出した。現在、リン酸化がIPS-1の機能を促進するメカニズムが明らかになりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IPS-1のリン酸化サイトの同定に成功し、その機能解析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
作製した新たなモデルマウスを用いて仮説の検証を進める。
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Causes of Carryover |
雇用していた研究員が3月中旬に異動したため、その人件費が残った。翌年の別の研究員の人件費に充てる。
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