2021 Fiscal Year Research-status Report
Functional elucidation of two forms of Galectin-9 and their potential application to diagnosis
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21K07068
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
仁木 敏朗 香川大学, 医学部, 助教 (40558508)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ガレクチン / エクソソーム / ソーティング |
Outline of Annual Research Achievements |
EV Gal-9測定の診断マーカーとしての有用性について:免疫調節因子であるGal-9にはExtracellular vesiclesに内包されたEV Gal-9と遊離型が存在しており我々の開発したELISAでそれらを定量できる。デング熱患者血漿を用いた予備検討よりEV Gal-9は病状の改善に伴って上昇することが示された。本課題を通してこのELISAを使用できるように十分量の試薬を調製し、これまでと同様のELISAが行えることを品質試験で確認して分注・凍結保存した。このELISAを用いたCOVID19肺炎患者の血漿測定では入院時・トシリズマブ治療前後および退院時での症状に相関したGal-9濃度の変動が見られた。
Gal-9のEVへのSortingの仕組みについて:EVの中でも研究の進んだエクソソームにフォーカスを当ててそこに内包されるGal-9を調べたところ非還元状態では本来の分子量の倍以上の凝集体を形成していることが判った。これを免疫沈降してGal-9と共存する因子を特定する計画であるが、これまで用いていた抗体は免疫沈降の効率が低いため効率の良い抗体のスクリーニングを行い、目的にかなう特定のポリクロ抗体を見出した。
遊離Gal-9とEV Gal-9の機能について:機能比較のアッセイのひとつとしてマウスナイーブT細胞のTh17/Treg分化アッセイ系を用いる予定であり、最近の論文では主流となってきているフローサイトを用いたアッセイ方法を採用することとしその確立を急いでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EV Gal-9測定の診断マーカーとしての有用性について:ELISAに必要な試薬を調製した。モノクロ抗体はハイブリドーマより生産・精製し、一方ポリクロ抗体は抗血清を抗原カラムで精製した後ビオチン化処理を行った。共に品質管理試験を行ってこれまでと同様のELISAを行えることを確認した。昨年度は目下喫緊の課題であるCOVID19肺炎における基礎研究・知識充足のため患者血漿のGal-9測定を行った。残念ながら用いた患者血漿はウイルス不活性化のために強力な界面活性化剤での前処理済であったためEV Gal-9測定が不可能であったが、入院時・トシリズマブ治療前後および退院時での症状に相関した変動が見られた。Gal-9のEVへのSortingの仕組みについて: EVの中でも先行研究の多いエクソソームにフォーカスを当てて研究したところエクソソーム中のGal-9は非還元状態では本来の分子量(35,000)の倍以上の位置にシグナルを呈したことより、何らかの因子とジスルフィド結合による凝集体を形成していることが予想された。Gal-9と共存する因子を同定するため免疫沈降効率の高い抗体のスクリーニングを行い、特定のポリクローナル抗体を見出した。遊離Gal-9とEV Gal-9の機能検討について:マウスナイーブT細胞のTh17/Treg分化アッセイ系および血漿中での安定性試験で比較検討する予定である。Th17/Treg分化アッセイ系は過去に経験のあるIL-17分泌とFoxp3発現集団のフローサイトによる同定を計画していたが、最近の論文では共にフローサイトで調べている例が多いため、論文化を見越してその方法を採用することに変更し測定方法の確立を急いでいるところである。
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Strategy for Future Research Activity |
EV Gal-9測定の診断マーカーとしての有用性について:COVID19肺炎のデータは他のマーカーとの比較を行い論文化する予定である。またCOVID19肺炎血漿についてはEVを破壊しないウイルス不活性化前処理が必要であり、その方法を検討する予定である。また他の感染症患者血漿測定も計画しており、その中には予備検討でEV Gal-9測定の診断マーカーとしての有用性が示唆されたデング熱患者血清も含まれる。Gal-9のEVへのSortingの仕組みについて:免疫沈降効率の高い抗体を見出せたのでこれを用いてエクソソーム中のGal-9を特異的に回収し、ジスルフィド結合している因子を質量分析により同定する予定である。遊離Gal-9とEV Gal-9の機能検討について:フローサイトを用いたTh17/Treg分化アッセイ系を確立し、EV Gal-9と遊離Gal-9に活性差があるか調べる。
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Causes of Carryover |
必要なスペックのPCと付属品を購入する予定であったが、世界的な半導体不足のため当初予定の製品購入をあきらめた。状況が改善されることを期待していたが変化なく、年度末に見積もったPCはどれも納品未定となっていた。状況改善にはまだ数年かかると考えられるため、次年度直ぐにPCと付属品を発注する。
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Research Products
(2 results)