2023 Fiscal Year Annual Research Report
Functional elucidation of two forms of Galectin-9 and their potential application to diagnosis
Project/Area Number |
21K07068
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
仁木 敏朗 香川大学, 医学部, 助教 (40558508)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ガレクチン9 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
EV Gal-9測定の診断応用可能性:EV Gal-9の簡便な定量方法を開発し、これを用いてデング熱患者の血漿を測定した予備検討では入院時、解熱期ではEV Gal-9が低く、回復すると高くなった。デング熱の予後診断法としての可能性を確認するためにより多くの検体を調べる予定であったが、共同研究先のフィリピンの病院がコロナ感染症対応に追われており、本研究期間に追加の検体を得ることが出来なかった。そこで過去の研究で使用したAIDS、結核、AIDS結核の血漿を用いてEV Gal-9を測定したが、これら疾患では重症度との相関は見られなかった。 COVID19におけるGal-9:COVID19蔓延のために研究が妨げられたが、逆にCOVID19患者検体は入手しやすくCOVID19におけるGal-9の研究を行った。COVID19血漿はウイルス不活性化のために高濃度の界面活性剤処理する必要があり、我々の開発したEV Gal-9測定方法は使えない。遊離のGal-9は非常に分解されやすいがEV Gal-9は安定であり、血漿中のGal-9のほとんどが分解型である。そこで全長Gal-9と分解型Gal-9を定量するELISAを用いて間接的にEV Gal-9を測定する方法を用いCOVID19患者血漿を測定したところ、遊離型Gal-9を反映すると考えられる分解型Gal-9が重症患者を正確に見分けるマーカーであることが判った。この分解型Gal-9測定は頭頸部扁平上皮癌研究にも有効活用された。COVID19におけるGal-9の機能を米国コーネル大学等との共同研究で調べたところin vitroにおいてGal-9はSARS-Cov2の気道上皮細胞感染とウイルス複製を増強し、その一方でヒトACEトランスジェニックマウスモデルではSARS-Cov2感染抑制と罹患マウスの生存延長を示した。
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