2022 Fiscal Year Research-status Report
Research for the trial of cancer cell removal from fibrotic tissues by disturbing mechanosensitizer
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21K07090
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
栗山 正 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (30398226)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メカノタクシス / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は一般に広く知られるがんが硬い組織を好む、という事象をがん細胞から見て周辺組織の硬化を細胞自身が感知しているのかどうかを検証する研究である。前年度までにヒト乳がん細胞高転移株から作成したFRETテンションセンサー細胞を使って実験を進めていたが、前年に引き続き発現するセンサー分子の不安定性が問題になっていた。また細胞を固定する場合と異なり、生体内の転移がん細胞から得られるシグナル強度に問題があったため今年度にプローブを再設計し、ベクターシステムを刷新した。FRETセンサーに6-8pN(ピコニュートン)と9-11pNの力で伸展するユニットを予てから使っていたアクチニンテンションセンサー分子に挿入して作成した。EGFPとmCherryタンパク間のFRETの代わりにYPetとmCherryタンパクというより近接した波長のタンパクを用いる事によりin vitroのFRET効率が2~3倍、生体内でも十分な感度を示した。ゲノム編集によるインサートよりもエピソーム型ベクターを用いる事で比較的大きなテンションセンサーの発現量が安定して高発現になった事も伴って測定システムは大幅に改善された。これまで明らかになっていなかったがテンションセンサーの減衰曲線の書ける範囲が明確に決まっており、測定可能レンジを超えると予想しない挙動を見せる。2つないし3つの測定範囲の正確な設定が必要である。またメカノセンシタイザー分子候補である遺伝子Xもノックアウト、ノックダウンにより予想に近い挙動を見せており、測定可能範囲からの逸脱を以てセンシタイズ機能を示せないかを模索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゲノム編集によるセンサー分子の挿入は結局あまりうまく行かなかった。やはりプロモーターの干渉を避ける配列を挿入する必要があった。その代わりにエピソーム型ベクターを用いて染色体に組み込まれないように複製されるシステムを用いたところ、発現が安定した。測定に使っていたメカノゲルは研究協力者からも得られるのだが、頻度やクオリティにばらつきがあるので市販の製品で補完していた。しかしながらコロナ禍を経てアメリカの企業が撤退してしまい、アジアでは同じ製品を手に入れる事が出来なくなった。このため新たに自作のメカノゲルを作成するシステムを導入する必要が生じた。プローブを再設計した事もあり、これまでのデータをアップデートする必要があるので時間がかかると予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
技術的トラブルはかなり克服できたのでデータを集める事に専念する。何度も作成と修正を繰り返した事で時間を取ってしまい、発展的展開に到達する事は難しい。また諸般の理由から研究材料を自作する事になったので、それに合わせ購入するものも増えた。全般的な試薬・機器の価格の高騰から、次に発展させるための網羅的遺伝子解析などの予算が確保できない。まとめて論文を作成することに集中する。
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Causes of Carryover |
実験に使う細胞材料の不安定さで実験データの効率の良い取得がままならなかった。また市販の研究材料の販売終了などがあり、予定の変更を余儀なくされたから。
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Research Products
(6 results)