2022 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of reversible oncogenic signals in the pregression of neuroblastoma
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21K07105
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
堺 隆一 北里大学, 医学部, 教授 (40215603)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 神経芽腫 / チロシンリン酸化 / チロシンホスファターゼ / ALKキナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
神経芽腫におけるPTP-RZの役割を知るため、初年度に樹立したsiRNAをもちいたPTP-RZタンパク質の発現抑制の系と、クローニングしたcDNAを用いたPTP-RZタンパク質の強制発現の系を用いた系を使ってRTP-RZの発現と神経芽腫の特性の関わりに関する解析を進めた。ホスファターゼ活性を測定するため、内在性の基質として報告されているパキシリンのリン酸化をイムノブロットにより検出する系も導入した。PTP-RZの発現がある程度見られる神経芽腫数種でPTP-RZの発現が細胞増殖・細胞運動・細胞形態・増殖因子下流シグナル(ERK、AKT)に与える影響について解析を行った。 結果として、用いた神経芽腫細胞ではPTP-RZの絶対的な発現量がそれほど多くないこともあり、神経芽腫の進行やそれに関わるALKキナーゼの逆反応としてのPTP-RZの役割は明確に確認することができなかった。公開データベースを用いて、神経芽腫患者組織においては、PTP-RZの発現量が高いことが神経芽腫の予後良好と関与していることが示すことができているので、発現の高い細胞株の選択やオルガノイドカルチャーなどによってPTP-RZの発現が神経芽腫の特性に影響を与える条件を探索している。 またPTP-RZ以外の増殖制御に関わるホスファターゼとして、PTP-PESTが神経芽腫に中程度に発現し、やはり発現が高い方が神経芽腫の予後良好につながることを見いだしたため、現在特異抗体による発現解析やALKのリン酸化基質に対する影響の解析などを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
十分に実験を進めることができたが、通常の2次元培養では当初の候補ホスファターゼであるPTP-RZの十分なオンコジェニックな作用やALKの逆反応への関与を示すことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
PTP-RZに関しては腫瘍細胞のみの2次元培養から離れて、オルガノイドカルチャーや腫瘍組織解析などで間質細胞とのやりとりも含めてその作用を理解していきたい。PTP-RZ以外の候補ホスファターゼについても検索を広げ、神経芽腫の悪性化に関わるALKキナーゼの逆反応を司るホスファターゼの正体の解明に努めたい。
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Causes of Carryover |
PRP-RZを候補とした本年度研究が予想に反し拡がらなかったため、新規ホスファターゼ分子の探索、および実験のための特異抗体の準備、cDNAの単離のために次年度に支出予定である。
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Research Products
(1 results)