2023 Fiscal Year Research-status Report
Production of chromosomal structural abnormalities using cultured cell system
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21K07108
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
稲垣 秀人 藤田医科大学, 医科学研究センター, 講師 (70308849)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 染色体転座 / 染色体複雑構造異常 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、がんや先天異常症において観察される染色体転座などの、染色体複雑構造異常をはじめとする染色体再構成の発生機序を明らかにすることを目的として、培養細胞を使ったモデル系を立ち上げ、その複雑構造異常の試験管内再現を目指している。本年度は昨年度に引き続きモデル細胞系の再構成を試み、ネガティブセレクション可能な遺伝子をターゲットに破壊された細胞クローンを選抜し、その遺伝子の再構成様式を観察した。いつかの再構成細胞をクローン化してストックした。そのゲノムの解析手法について、前年度に試みたPCRによる検出系から、本年度はナノポア社の第3世代ロングリードシーケンシングを用いた再構成検出を試みた。ヒト細胞の全ゲノム解析は費用がかかることから、効率化するための領域ターゲット法についていくつか検討を行った。ハイブリダイゼーションなどを用いた従来法も検討したが、長い領域を一度に解析するメリットを活かしたロングリードに見合う方法として、ターゲットをドライ条件で選抜するアダプティブサンプリング法を試した。しかし現状では効率化が十分ではなかった。そこでターゲット領域をゲノムDNA切断で限定するCRISPR-Cas9法について検討したところかなりの効率化が認められた。そのため、切断部位を近傍10kb程度に設定した上で大規模再構成の検出を試みている。またそれとは別に、ドライ解析による再構成切断点の特徴づけについてもいくつかの手法を試みた。現状では結論はまだ出ていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大規模再構成の効率よい検出手法を模索していたがようやく方向性が定まった。
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Strategy for Future Research Activity |
モデル系のブラッシュアップ、クローン化した再構成細胞のゲノム解析、およびコンピュータ解析による再構成のゲノム位置の特徴づけ(核内配置、DNA配列)を行い、データを総合的に検討する。
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Causes of Carryover |
研究進行状況がやや遅れており、そのための支出が減少したため。次年度に研究進展状況に従い支出をおこなう。
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