2022 Fiscal Year Research-status Report
Premetastatic niche formation maintains metastatic stem cell phenotype
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21K07157
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
出口 敦子 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (10422932)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肝転移 / がん微小環境 / S100A8 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの転移の過程において、がん周辺部に存在するがん微小環境と類似した環境、転移前微小環境が転移先臓器に形成され、転移を促進する可能性が示唆されている。これまでに研究代表者は、肝転移における転移前微小環境形成に関わる因子として同定した転移前肝微小環境形成因子によって肝転移促進することを見いだしてきた。本研究は、転移前微小環境形成因子が腫瘍細胞自身にも作用し、肝転移能を獲得するという仮説を検証することを目的として、転移先に依存しない転移先微小環境形成因子であるS100A8に対する阻害薬の開発と、転移前肝微小環境形成因子欠失マウスを用いた転移前微小環境形成因子による肝転移促進の分子機序の解明を目指し、当該年度中に下記1.~2.の研究成果を得た。 1. S100A8多価型阻害ペプチドによる抗腫瘍活性---S100A8多価型阻害ペプチドはS100A8とその受容体であるToll様受容体4(TLR4)との結合に競合的に抑制する多価型のペプチドであり、S100A8によって誘導されるインターロイキン8やVEGFの発現を抑制する。大腸がんSW480細胞を皮下移植したXenograftモデルにおいて、S100A8多価型阻害ペプチドは抗VEGF抗体との併用投与により抗腫瘍作用を増強することが示唆された。また、Syngeneicマウスモデルを用いてペプチド単剤の腫瘍抑制作用に加えて、抗PD-1抗体併用により抗腫瘍活性を増強することを見いだした。 2. 転移前肝微小環境形成因子による肝転移---前年度までに、転移前微小環境形成因子の刺激によりがん細胞において誘導される遺伝子群を同定した。それぞれの候補因子に対し、shRNAにより候補因子を人工的に枯渇した細胞を樹立し、肝転移能に対する作用を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに開発したS100A8多価型阻害ペプチドの投与は、担がんマウスの皮下腫瘍内の血管新生を抑制した。S100A8多価型阻害ペプチドによる抗腫瘍活性には、血管新生抑制と腫瘍血管正常化が関与していることを示唆した(論文受理済み)。
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Strategy for Future Research Activity |
肝特異的転移前微小環境形成因子トランスジェニックマウスを用いた解析では、2種類のがん細胞の移植により、野生型と比較して肝転移を促進することを見いだしている。さらに、前年度中に得られたシングルセル解析を引き続き検証する。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた抗体の納期が大幅に遅延していることに加えて、次年度論文リバイス実験のため、次年度使用額に当てることになった。
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Research Products
(5 results)