2022 Fiscal Year Research-status Report
O-GlcNAc修飾による癌微小環境制御機能の解析
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21K07160
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
森脇 一将 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (00467656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝日 通雄 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (10397614)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | O-GlcNAc修飾 / 癌微小環境 / 癌転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
O-GlcNAc修飾は,癌細胞内において亢進して癌細胞の特性形成に働き,癌細胞の増殖や転移など癌のあらゆる進展過程に働くが,癌微小環境における機能については知見に乏しい。そこで,今回,癌微小環境におけるO-GlcNAc修飾の亢進が癌の進展に及ぼす影響を観察するため,全身でO-GlcNAc修飾が亢進するOGTトランスジェニック(Ogt-Tg)マウス,および,野生型マウスに,同系マウス由来の癌細胞株を同所移植して,癌細胞の増殖や転移を比較解析している。今までの研究から,膵癌細胞株Panc02は,同所移植時,野生型マウスと比較してOgt-Tgマウスでは,明らかに生着しやすいことが分かっている。今回,本研究において樹立したPanc02の高転移膵癌細胞株を用いた同所移植実験を繰り返し実施し,Ogt-Tgマウスにおいて肝臓や肺への転移が亢進していることを,重ねて確認することができた。そこで,これが一般的な現象であるのか検証するために,他の癌腫であるB16-BL6悪性黒色腫細胞を用いて同所移植実験を実施した。その結果,野生型マウスと比較してOgt-Tgマウスでは,足蹠に移植したB16-BL6細胞は,より早期に膝窩リンパ節に転移した。つまり,以上の結果は,一般的に,癌微小環境におけるO-GlcNAc修飾の亢進が,癌の転移に対して促進的に働いていることを強く示すものである。現在,追加実験を実施して再現性を確認しながら,癌微小環境の中で,特に寄与が大きい細胞を同定しようと解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予期せぬ研究協力者の退職があった後,実験従事者の補充ができておらず,研究全体が予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,移植実験を継続して評価解析を積み重ねながら,癌微小環境におけるO-GlcNAc修飾の亢進が癌細胞の生存や転移を促進する分子機序の解明に,計画的に取り組む。
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Causes of Carryover |
研究従事者の減少やコロナによる出張規制等に伴って前年度に生じた繰越金を,おおよそ同額,今回次年度に繰り越すことになった。全体として研究計画が遅れているが,次年度は,遅れを取り戻していけるよう必要な解析を1つ1つ進めていく。
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Research Products
(2 results)