2021 Fiscal Year Research-status Report
がん早期診断における涙液エクソソームの有用性の検討
Project/Area Number |
21K07176
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
犬伏 祥子 神戸大学, 医学研究科, 特命講師 (60585959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷野 裕一 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50285392)
國久 智成 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (50839800)
馬場 基 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (90724980)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 涙 / exosome / 細胞外小胞 / 乳がん |
Outline of Annual Research Achievements |
乳がんの死亡率は上昇の一途をたどっており、現在では日本人女性の11人に1人が乳がんにかかるといわれ、早期発見により適切な治療が行われれば良好な経過が期待できるといわれているものの実に年間約13.000人の女性が乳がんでなくなっており、その対策は急務である。一方で乳癌の発症延齢は40歳代と 60歳代後半と2つのピークがあり、40代~50代女性のがん死亡原因の第1位である。そのため40歳から健診が勧められているが、乳がんの検診率は約40%と先進国の中で最も低い。仕事や育児、介護などに追われている40代~50代女性には検診に行くこと自体のハードルの高さが問題となっている。近年はさまざまな体液を用いたがんの早期診断研究がなされており、その社会実現性も高いと考えるが、血液はやはり侵襲性が高く、尿は女性にとって心理的侵襲性も少なくないといえる。特に乳がんや子宮頸癌などは20-30代女性で急増しており、20代からのがんの早期診断という点で、より気軽に採取が可能である体液サンプルを利用した早期診断方法が必要であると考え、涙に着目した。申請者らは乳がん転移患者から涙液由来エクソソームを採取し、oncogenic miRNAが高発現していることを明らかにした。しかし、この涙液由来エクソソーム内にがん細胞から放出されたエクソソームが含まれているのかなど涙液の有効性について疑念は拭えない状態であった。そのため、涙液にがん細胞由来エクソソームが含まれており、涙液エクソソームががんの早期診断に有用であることを明らかにする必要があると考え本研究の着手した。 21年度は倫理委員会からの承認を得て、前向きに35例の患者の涙サンプルの採取を実施し現在順次解析に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では2.5年間で100例の患者サンプルを採取する予定にしていたが、現在すでに35例のサンプルを採取しており、順調に進呈していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定より、患者サンプルが早く収集可能であるため、患者サンプルの残余血清および涙の比較解析研究を実施することも想定し、研究を推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた外注での解析を翌年度に実施することにしたため。
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