2023 Fiscal Year Annual Research Report
がん早期診断における涙液エクソソームの有用性の検討
Project/Area Number |
21K07176
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
犬伏 祥子 神戸大学, 医学研究科, 特命講師 (60585959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷野 裕一 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (50285392)
國久 智成 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (50839800)
馬場 基 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (90724980)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | exosome / 細胞外小胞 / 乳癌 / 涙 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
乳がんの死亡率は上昇の一途をたどっており、現在では日本人女性の8人に1人が乳がんにかかるといわれ、早期発見により適切な治療が行われれば良好な経過が期待できるといわれているものの実に年間約13.000人の女性が乳がんでなくなっており、その対策は急務である。しかし、仕事や育児、介護などに追われている女性には検診に行くこと自体のハードルの高さが問題となっている。 近年はさまざまな体液を用いたがんの早期診断研究がなされており、その社会実現性も高いと考えるが、血液は侵襲性が高く、尿は女性にとって心理的侵襲性も少なくないといえる。そのためににより気軽に採取が可能である体液サンプルを利用した早期診断方法が必要であると考え、涙に着目した。申請者らは乳がん転移患者から涙液由来エクソソームを採取し、oncogenic miRNAが高発現していることを明らかにした。しかし、この涙液由来エクソソーム内にがん細胞から放出されたエクソソームが含まれているのかなど涙液の有効性について疑念は拭えない状態であった。 本研究では涙液にがん細胞由来エクソソームが含まれており、涙液エクソソームががんの早期診断に有用であることを明らかにする必要があると考え本研究の着手した 前年度に実施したマイクロアレイ解析の結果をもとにqPCRの条件検討を行うとともに、エクソソーム表面タンパクを解析した。特に血清サンプルにおいては腫瘍の有無や腫瘍背景などによりエクソソームのHER2タンパクやエクソソーム数に大きく影響を及ぼしていることを明らかにした。
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