2021 Fiscal Year Research-status Report
銀ナノ錯体バイオチップを活用したヌクレオソーム解析による新規大腸癌診断法の確立
Project/Area Number |
21K07181
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金城 達也 琉球大学, 病院, 講師 (50623386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 士郎 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50314159)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 銀ナノ錯体バイオチップ / ヌクレオソーム / エピジェネティック |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌はスクリーニング法が煩雑であり、沖縄県では検診及び精検受診率も極めて低く、進行癌の診断率が高い。その結果、大腸癌死亡率が非常に高く、島嶼県、高齢者及び併存疾患保有率の急増など、沖縄県特有の背景が拍車をかけている。近年、核酸解析によるリキッドバイオプシー研究が急速に発達しているが、未だ解析精度の点で課題が多い。癌研究分野では、エピジェネティクス変化も網羅する新たな指標として、血中ヌクレオソームが注目されている。これまでに銀ナノ錯体バイオチップを使用し、血中癌細胞由来ヌクレオソーム検出による簡便かつ迅速な大腸癌診断の研究を蓄積してきた。大腸癌の発癌・進行過程と血中ヌクレオソーム及び付帯する癌遺伝子及びエピジェネティック変化には、どのような関連があるのか?本研究では銀ナノ錯体バイオチップを活用し、ヌクレオソーム解析及び沖縄県内で実証試験を実施し、新規大腸癌スクリーニング法の確立及び臨床応用にも追究する。 令和3は、銀ナノ錯体バイオチップ捕捉塩基配列解析及びエピジェネティック解析と手術患者を対象としたレジストリ作成を実施。まず銀ナノ錯体バイオチップにより捕捉されたヌクレオソームの自家発光波長による癌診断とDNA塩基配列およびDNAメチル化解析を実施。①捕捉された血清癌由来ヌクレオソームに対して2種類の特定波長を使用し、蛍光物質の面積値及びそのRatio値と大腸癌病期分類の相関性を検証し、カットオフ値を決定する。②捕捉された血清癌由来ヌクレオソームについて次世代シークエンサーを用いてDNA塩基配列およびDNAメチル化解析を行い、特徴を捉える。またレジストリ作成として、手術を要するcStage I~IVの大腸癌患者および大腸良性疾患症例のレジストリ作成をおこない、両者の臨床病理学的特徴とヌクレオソーム解析結果を比較し、相関性を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3は、銀ナノ錯体バイオチップ捕捉塩基配列解析及びエピジェネティック解析と手術患者を対象としたレジストリ作成を実施。まず銀ナノ錯体バイオチップにより捕捉されたヌクレオソームの自家発光波長による癌診断とDNA塩基配列およびDNAメチル化解析を実施。既存の78検体にて解析を実施しており、順調に進展している。今後は令和3年以降の新規の検体を追加し、技術改良後の新解析器機を用いた再検討を行い、精度の向上を見込んでいる。 ①捕捉された血清癌由来ヌクレオソームに対して2種類の特定波長を使用し、蛍光物質の面積値及びそのRatio値と大腸癌病期分類の相関性の検証を試みている。目標症例数への到達を令和4年までとしており、現在症例をさらに集積中である。症例集積は順調であるが、まだカットオフ値を決定するには至っていない。②捕捉された血清癌由来ヌクレオソームについて次世代シークエンサーを用いてDNA塩基配列およびDNAメチル化解析を行い、特徴を捉える。次世代シークエンサーおよびDNAメチル化解析も同時に開始しており、予定症例数に到達した時点で、臨床データとの相関を検討する予定である。またレジストリ作成として、手術を要するcStage I~IVの大腸癌患者および大腸良性疾患症例のレジストリ作成を開始しており、月4~6例の登録をおこなっており、令和4年度から新規に登録施設を追加し、さらに症例登録が進む予定であるため、レジストリ作成は今後も順調に実施可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
症例登録が早めに終了することが予測され、銀ナノ錯体バイオチップが捕捉したヌクレオソーム由来遺伝子とレジストリデータとの関連性を検討することで、癌パネル解析の作成に取り組むことが可能と考えている。その結果を用いて、個別化診断及び治療への応用を検討していく。 これと同時に銀ナノ錯体バイオチップを用いて検診受診者及び診療所通院中患者における大腸癌スクリーニング検査をおこない大腸癌診断法としての有用性を検証していくが、すでに関連施設とは研究実施の調整がすんでいるため、上記の解析が終了すれば、すぐに一般検診受診者及び診療所通院患者における大規模レジストリ作成と検証に取り組むことが可能である。
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Causes of Carryover |
新規計測機の検体測定制限のため、検体が一定数になった時点で送付することとなったため、当初予定していた検体輸送費を次年度に繰り越すこととなった。
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