2023 Fiscal Year Research-status Report
下咽頭癌癌幹細胞に対する特異的抗体の樹立と診断・治療への応用
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21K07186
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤井 慶太郎 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30839379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 恵一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 部長 (40509262) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
扁平上皮癌は、そのゲノム変異の複雑さから治療標的となるdriver geneがほとんどみつかっていない。おもに扁平上皮癌を発生する下咽頭癌は、解剖学的特性からQOLの維持も困難であり、画期的な治療法が望まれる。扁平上皮癌が主に発生する下咽頭癌は、そのゲノム変異の複雑さから明らかな治療標的に乏しい。 申請者のグループは、下咽頭癌においてCD271(神経成長因子受容体)が悪性度を亢進し、CD271発現細胞は癌幹細胞であることを報告してきた。ただし、CD271は正常上皮基底細胞にも発現が認められるため、CD271を単純に標的とする従来の抗体治療では正常の細胞の損傷を避けることは難しく、臨床応用に向けた大きな懸念であった。最近、正常・癌いずれにも発現するタンパクであっても、正常と癌との間には翻訳後修飾(リン酸化・糖鎖修飾・硫酸化など)の違いがある例が報告された。ポドプラニンには癌特異的な糖鎖修飾があり、その糖鎖修飾をエピトープとする癌特異的抗ポドプラニン抗体が開発された。しかし、癌特異的抗 体の樹立に関して、これ以外の報告はほとんどない。本課題では、がん特異的糖鎖修飾を受けたCD271に着目し、抗体を作成する。 本年度は昨年度に引き続き、得られた抗体を用いて、機能阻害試験・ADCC活性・ウェスタンブロッティング・免疫染色・フローサイトメトリーなどを実施した。特に、臨床検体を用いた免疫染色を行い、臨床情報との関連を探索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に従って実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
計画書に従い、研究を前進させる。
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Causes of Carryover |
研究の精度を高めるために、次年度も引き続き研究を実施する必要がある。準備するのに時間のかかった臨床検体を用いた実験を中心に、次年度も行う。
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