2023 Fiscal Year Annual Research Report
Metabolome analysis for pancreatic neuroendocrine tumor
Project/Area Number |
21K07193
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
岡野 圭一 香川大学, 医学部, 教授 (20314916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我 朋義 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (60338217)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵神経内分泌腫瘍 / メタボローム解析 / 代謝 / CE-MS / Creatine / SAH |
Outline of Annual Research Achievements |
2009年7月1日から2022年12月31日の間に申請者らの所属機関(香川大学医学部附属病院)で手術治療を受けた患者23例、および消化管神経内分泌腫瘍に対して手術治療を受けた患者4例の切除標本から採取した凍結保存組織に対してメタボローム解析を行った。解析は、膵・消化管内分泌腫瘍患者の手術摘出標本から保存されている組織(腫瘍部・非腫瘍部)を用いて、メタボローム測定法を用いて代謝産物を測定した。腫瘍代謝に関わる代謝物の多くはイオン性物質であるため、キャピラリー電気泳動-質量分析(CE-MS) により腫瘍部・非腫瘍部組織のイオン性物質の一斉定量分析を行い、腫瘍部と非腫瘍部間で有意に変動する代謝産物や代謝経路を調べた。さらに正常組織、膵癌組織、組織学的な分類(悪性度や機能性、リンパ節転移の有無)、発生部位、大きさなどによって分類し代謝産物の有意差検定を行い、膵神経内分泌腫瘍の発生によって変化した代謝物や代謝経路を検討した。 CE-MSの結果、500以上のイオン性代謝物が定量された。これらの内、サンプルの50%以上で検出された87代謝物を統計学的に解析した。さらに検出された代謝物を病理組織学的分類などにより以下の通り比較した。①WHOgradeによる比較(G1群 vs G2,G3群)、②リンパ節転移の有無による比較、③大きさ(最大腫瘍径)による比較(カットオフ値:30mm) その結果、①G1群に比べ、G2,G3群において腫瘍のCreatineが有意に増加していた。②リンパ節転移陽性群において腫瘍のCreatine, SAH, N-Acetylgulutamate, Glutatione, UDP-glucuronateの5物質が有意に増加していた。③最大腫瘍径>30mm群でCreatine, SAH, N-Acetylgulutamateの3物質が有意に増加していた。以上から、全てに共通して有意に増加しているCreatineが悪性度に関連する代謝物と示唆された。
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Research Products
(1 results)