2022 Fiscal Year Research-status Report
ユビキチン化の検出システムの開発と担癌マウスモデルでの検証
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21K07197
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
宮本 和英 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 教授 (10415317)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ユビキチン化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は独自技術である分子設計技術に基づき(特許第5971788号)、急性前骨髄性白血病(APL)に関与するSIAH-1活性部位を移植した人工E3の合成を行い、ウエスタンブロットにてユビキチン化の機能確認を実施した。今年度は、蛍光標識した人工E3(FAM-人工E3)とユビキチン結合酵素(E2)との相互作用を蛍光分光計で測定できることが新たに明らかになった。E2の濃度を変化させることで、その依存的にFAM-人工E3の蛍光強度が増加した。これをプロットし、FAM-人工E3とE2との結合定数Kdをフィッテイングカーブより算出した。E2はUbcH5bを使用したが、異なるE2でも検討する予定である。一方、ユビキチン化の度合いを蛍光偏光法(分光蛍光光度計 F-7100, 日立製)でリアルタイムで定量的に計測するために、蛍光標識した人工E3、ユビキチン、E1,E2など必要な試薬を混合させて、人工E3のユビキチン化を生じさせた。人工E3はモノユビキチン化されると分子量が増加するので、蛍光異方性が変化すると期待していたが、ユビキチン化反応を定量的に捉えることができるほど十分な感度での検出ができなかった。次年度では、ポリユビキチン化する人工E3を設計・合成して、そのユビキチン化の度合いを蛍光偏光法で検討する。モノユビキチン化よりもポリユビキチン化の方が、より高分子化するので高感度に計測できると期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに概ね進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
各種E2と蛍光標識した人工E3との結合を蛍光分光計で測定し、その結合強度Kdを算出して比較検討する。また、ポリユビキチン化の反応を蛍光偏光法で計測して、反応の進行度合いをリアルタイムかつ定量的に計測する。さらには、この技術を活用して、急性前骨髄性白血病細胞株NB4に抗癌剤ボルテゾミブを作用させ、その培養上清中でのユビキチン化の度合いの検出・測定を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
残金3,272円は、次年度の試薬の購入にあてる。
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Research Products
(4 results)