2023 Fiscal Year Annual Research Report
再発性悪性リンパ腫の完全根治を目指したリンパ移行性腫瘍標的型核酸製剤の創製
Project/Area Number |
21K07224
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
渡辺 知恵 城西大学, 薬学部, 教授 (30737747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 祐介 城西大学, 薬学部, 助教 (10805881)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リンパ管 / リンパ液 / リンパ経路 / 悪性リンパ腫 / B細胞 / 核酸医薬 / 抗体医薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、未だ寛解後の再発を完全に制御することが難しい「再発性悪性リンパ腫」の完全根治を最終目標とした、リンパ移行能を有するB細胞性腫瘍標的型の新規核酸医薬創製による新たな悪性リンパ腫治療法の確立を目指したものであった。本研究は、1, 核酸製剤のプロトタイプの試作、2, In vitro評価系を用いた腸管透過性の検討、3, In vivo投与によるリンパ移行性の検討、から構成されていた。 年次計画に従い、最終年度はin vitro 評価系を用いた腸管透過性の検討の過程において、腸管粘膜再構築モデルの改善とその評価を継続して行い、そのモデルを用いた腸管透過性促進キャリアーとプロトタイプの透過性評価と投与設計を行った。また、プロトタイプのIn vivo投与によるリンパ移行性の有用化および最適化に係る検討において、血管内とリンパ管内における薬物動態の差異が予想以上に大きい事が明らかとなり、リンパ移行性による治療の有用性が明らかとなった。 一方、研究期間全体を通して、本研究を遂行する中で、リンパ管系に関してはリンパ管形成や発生に関する知見は蓄積されているが、リンパ管系経路を介した全身性薬物動態やリンパ指向性に関してはその知見は古い研究に基づくものが多く、新しい知見や真の理解が未だ不十分であることが明らかとなった。本研究の最終目標であるリンパ移行能を有する標的型核酸医薬による再発性悪性リンパ腫の完全制御への到達には、リンパ管経路に関わる基盤研究によるさらなる知見の蓄積が必要である。今後、本研究を継続し、さらなるリンパ管経路への理解を深め、新規治療法開発へとつなげていきたい。
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Research Products
(9 results)