2021 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌治療薬の基礎解析データからの血中循環バイオマーカー同定と生物学的意義の解析
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21K07235
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
末永 光邦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (70462223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬島 哲夫 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター 分子生物治療研究部, 主任研究員 (30311228)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 効果予測マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、基礎研究から予測される候補バイオマーカーを臨床サンプルで非網羅的に検証する方法論を用いることで、消化器がんの中でも特に大腸がんにおける新規抗がん剤の治療効果に関する信頼性の高い効果予測バイオマーカーの同定を目的とする。がん細胞パネルーインフォーマティクスを用いてレゴラフェニブ感受性のバイオマーカーの候補となったMatrix metalloproteinases (MMPs)の候補因子について、大腸がん細胞株に対する薬剤処理による測定値の変動について調べた。これまで報告したCCL5/CCR5 signaling pathwayを介したレゴラフェニブの作用機序に加えて別な作用機序の可能性について検討を行う予定である。同様のMMPs候補因子についてはレゴラフェニブ治療群とコントロール群の患者から治療期間中に採取した臨床サンプルの血清濃度をELISA法により測定を行なっており、基礎研究データの再現性について解析を行う予定である。Trifluridine/tipiracil (FTD/TPI)については、基礎研究として大腸がん細胞株を用いて抗腫瘍活性を有するFTDで長期継続処理することにより、FTD耐性細胞を樹立した。同耐性細胞と元の感受性細胞の両者に対してマイクロアレイによる発現解析を行った。FTD処理前の細胞株と比較して発現シグナルが増加している因子の中からFTDの腫瘍細胞における抗腫瘍効果の耐性機序に関連する候補因子を抽出し、今後臨床サンプルを用いて検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同定されるバイオマーカーの有用性を確立、MMPsに対する抗体を用いてレゴラフェニブへの薬剤感受性に関する基礎研究を初年度と2年次に行うことになっており、順調に行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
同定されるバイオマーカーの有用性を確立、MMPsに対する抗体を用いてレゴラフェニブへの薬剤感受性に関する基礎研究については、引き続き行い解析を行う予定である。FTD/TPIについては、同定されるバイオマーカーの絞り込みを2年次までに行い、2年次には基礎実験による同定されたバイオマーカーのFTD/TPI治療時の生物学特性について検討する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 基礎研究における薬剤耐性株の樹立に時間を要したが、ほぼ予定通りの進捗である。臨床サンプルを用いた検証研究については候補因子をさらに絞り込むための時間が必要であったため、測定・解析については次年度に持ち越すことになった。 (使用計画) 次年度に合わせて検査キットを購入し、測定・解析に使用する予定である。
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Research Products
(9 results)