2021 Fiscal Year Research-status Report
Pharmacologically-directed termination of anti-apoptosis to overcome drug resistance in acute leukemia.
Project/Area Number |
21K07239
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山内 高弘 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (90291377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 奈穂子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (50509312)
根来 英樹 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (40444228)
大藏 美幸 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30647657)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分子標的治療 / 細胞療法 / 血液腫瘍学 / 薬物治療学 |
Outline of Annual Research Achievements |
培養急性骨髄性白血病細胞株HL-60、FLT3変異陽性白血病細胞株MV4-11、骨髄異形成症候群白血病転化細胞株MDS-Lを用いた。 ①MDS-Lを脱メチル化薬デシタビン5 nM 6か月間長期培養した(臨床的に脱メチル化薬が4‐6か月と長期に用いられることに相応する条件)。その前後で行ったDNA microarrayにて遺伝子発現レベルの発現比率はBCL2 0.962、BAX 0.95、BAD 1.0、TP53 0.9、TP53AIP1 3.6、TP53I11 2.0であった。Western blotにてBCL2タンパク発現の低下とTP53タンパク発現の回復が認められた。methylation arrayにてMS4A3(細胞増殖に関わる)の脱メチル化が生じた。デシタビン低濃度長期培養後の細胞を用いてデシタビン100 nM72時間培養によりアポトーシス死が増強された。このようにデシタビン低濃度長期間培養後に抗腫瘍薬感受性が上昇することを明らかにした。 ②HL-60、MV4-11のCD33陽性率はフローサイトメトリー法でそれぞれ70%、98%であった。HL-60にCD33抗体薬Aを24時間培養すると細胞のCD33は陰性化した。単球系Jurkat細胞をeffectorとして抗体薬Aと培養しレポーターアッセイによりADCC(抗体依存性細胞障害)活性が発現した。さらにHL-60細胞と健常人由来単核球と抗体薬Aを共培養し48時間でアポトーシス死が誘導された。MV4-11細胞においても同様の結果が得られた。さらにMV4-11において抗体薬AとFLT3阻害薬ギルテリチニブを併用した。ギルテリチニブ単独のIC50は0.12 nMであるが、抗体薬Aとの併用で細胞増殖抑制効果が増強された。このように抗体薬Aが免疫担当細胞存在下に複数の白血病細胞株に殺細胞効果を発揮することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究において様々な培養白血病細胞株を用い、①令和3年度では抗アポトーシス(Bcl-2, Mcl-1)阻害による内因系アポトーシス経路の活性化、②令和4年以降では外因系アポトーシス経路の活性化を予定した。しかしながら実際にはそれぞれの予定実験を同時に平行しておこなっており、上記のようにそれぞれにおいて推測通りの結果と予期せぬ結果が得られた。 ①については臨床に合致した脱メチル化薬との長期培養によりBCL2、MCL1の上流にあるTP53の発現回復が生じることを新しく見出した。TP53異常は白血病のみならず多くのがんにおいて最大の予後不良因子であり、本実験結果は驚きの結果であった。そのため初年度はTP53について時間をかけることとなった。同時にBCL2タンパク発現低下も判明しており、これは推測通りの結果であった。現在BCL2阻害薬とMCL1阻害薬の殺細胞効果の検討中である。 ②については予備実験の続きとしてHL-60での検討を強化しただけでなく、FLT3変異陽性急性骨髄性白血病細胞株MV4-11においても同様に検討を加えた。特に抗体医薬AとFLT3阻害薬ギルテリチニブとの併用により細胞増殖抑制効果が増強されたことは重要である。現在引き続きここにベネトクラクスを追加する3剤併用試験が進行中である。 以上、令和3年度予定の実験を同時並行したことより実験内容が相前後したが、令和3年度の研究は当初の計画以上に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初①令和3年度では抗アポトーシス分子(Bcl-2, Mcl-1)阻害による内因系アポトーシス経路の活性化、②令和4年以降では外因系アポトーシス経路の活性化を予定した。前述のように実際にはそれぞれの予定実験を同時平行して行っているため、令和4年度以降は以下のように研究を推進する予定である。 ①については脱メチル化薬との長期培養によりBCL2発現低下、TP53発現回復を見出した。BCL2阻害薬/MCL1阻害薬と脱メチル化薬との併用実験を行う。特に細胞回転に影響する従来薬アルボシディブと新規薬剤デナシニブを検討する。さらに細胞内アポトーシス関連因子に基づくアポトーシス誘導の経時的変化を(ミトコンドリア膜電位、チトクローム放出、カスパーゼ/PARP切断、DNA切断等により)半定量する。抗アポトーシス分子の過剰発現が関連する薬剤耐性白血病細胞株を当科で樹立しているが、この細胞株において同様に検討を行う。その際はシタラビン等従来薬との相乗効果発現についても細胞内シタラビン3リン酸濃度測定を用いて検討する。 ②についてはFLT3変異陽性急性骨髄性白血病細胞株MV4-11において、抗体医薬Aと併用効果を更に検討する。FLT3阻害薬はギルテリチニブ以外の新薬を用い、BCL21阻害薬ベネトクラクスを追加する3剤併用を検討する。これらの抗腫瘍効果として外因系アポトーシス誘導、さらにアポトーシス経路非依存性細胞死の有無を検討する。そのために薬剤暴露前後の代謝物変化をメタボローム解析で分析する。
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Causes of Carryover |
本研究課題については科研費取得前から予備実験を行っており、その際購入していた試薬や培養物品がたまたま残余していた。それらを使用したことで1年目の試薬購入が遅くなったことによる。実験計画の遅れによるものではない。
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Research Products
(25 results)
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[Journal Article] Randomised Phase II Study to Optimise Melphalan, Prednisolone, and Bortezomib in Untreated Multiple Myeloma (JCOG1105).2021
Author(s)
Maruyama D, Iida S, Ogawa G, Fukuhara N, Seo S, Miyazaki K, Yoshimitsu M, Kuroda J, Tsukamoto N, Tsujimura H, Hangaishi A, Yamauchi T, Utsumi T, Mizuno I, Takamatsu Y, Nagata Y, Minauchi K, Ohtsuka E, Hanamura I, Yoshida S, Yamasaki S, Suehiro Y, Kamiyama Y, Tsukasaki K, Nagai H.
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Journal Title
Br J Haematol
Volume: 192
Pages: 531-541
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Venetoclax in combination with azacitidine in Japanese patients with acute myeloid leukaemia: phase 1 trial findings.2021
Author(s)
Taniguchi S, Yamauchi T, Choi I, Fukuhara N, Potluri J, Salem AH, Hong WJ, Honda H, Nishimura Y, Okubo S, Usuki K.
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Journal Title
Jpn J Clin Oncol
Volume: 51
Pages: 857-864
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Venetoclax plus low-dose cytarabine in Japanese patients with untreated acute myeloid leukemia ineligible for intensive chemotherapy.2021
Author(s)
Yamauchi T, Yoshida C, Usuki K, Takada S, Matsumura I, Dobashi N, Miyazaki Y, Miyamoto T, Iida H, Asou N, Kuroda J, Ichikawa S, Komatsu N, Mendes W, Honda H, Okubo S, Kurokawa M, Jiang Qi, Wei A, Ishizawa K.
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Journal Title
Jpn J Clin Oncol
Volume: 51
Pages: 1372-1382
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] 6-month follow-up of VIALE-C demonstrates improved and durable efficacy in patients with untreated AML ineligible for intensive chemotherapy.2021
Author(s)
Wei AH, Panayiotidis P, Montesinos P, Laribi K, Ivanov V, Kim I, Novak J, Stevens D, Fiedler W, Pagoni M, Bergeron J, Ting B, Hou JZ, Anagnostopoulos A, McDonald AB, Murthy V, Yamauchi T, Wang J, Chyla B, Sun Y, Jiang Qi, Mendes WL, Hayslip J, DiNardo CD.
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Journal Title
Blood Cancer J
Volume: 11
Pages: 171- -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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