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2022 Fiscal Year Research-status Report

悪性中皮腫におけるSdc4の発現意義の解明と新規治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 21K07241
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

柴田 理志  大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教 (00423153)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山本 浩文  大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30322184)
横山 雄起  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60615714)
河原 邦光  大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (70755313)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords中皮腫 / 核酸治療 / 抗体治療
Outline of Annual Research Achievements

アスベスト曝露と関係の深い悪性中皮腫は、比較的稀な疾患であるが、世界的に急増する傾向にあり、わが国でも大きな社会問題となっている。本研究課題では、へパラン硫酸鎖を有する細胞膜上の受容体であるSdc4を標的とする核酸医薬や抗体医薬が悪性中皮腫に対して有効かどうかを明らかとすることを目的とした。
2021年度に悪性中皮腫の胸水セルブロックや手術組織検体を用いてSdc4蛋白が高発現していることやSdc4のノックダウンにより、悪性中皮腫由来培養細胞株であるMSTO-211Hの増殖を効果的に阻害することを明らかにした。2022年度は、正常凍結組織5例、悪性中皮腫20例と症例数を増やして組織免疫染色によりSdc4発現の検討を行なった。市販のSdc4ポリクローナル抗体では正常大腸粘膜上皮、気管上皮細胞、肝細胞、大腸癌組織、悪性中皮腫のいずれにおいても強いSdc4蛋白の染色性を認めた。一方、新たに作製したSdc4モノクローナル抗体では悪性中皮腫細胞でのSdc4蛋白の染色性は維持しながらも、正常大腸、肝臓、膵臓での発現はほとんどみられず、唯一、気管上皮細胞における染色性は弱いながらも残存した。Sdc4蛋白は気管上皮細胞に高発現するため核酸のデリバリーでは肺に核酸を送達しない工夫が必要であると考えられた。
より効果的な治療効果を示す核酸医薬を探すために、様々な悪性腫瘍に治療効果を示す8種類の核酸(MIRTX, miR-23b-3p, miR-329-3p, miR-129-5p, miR-129-1-3p, miR-4711-5p, miR-136-5p, Sdc4-siRNA)を用いて、数種の中皮腫由来細胞株(H2452, H2052, H28, MSTO-211H)に対する増殖抑制効果等を調べた結果、抗腫瘍人工核酸MIRTXがいずれの中皮腫に対しても最も増殖抑制効果を示すことが分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

中皮腫に対してよりSdc4-siRNAよりも治療効果が高いMIRTXを同定した。他にはmiR-4711-5p, miR-136-5pなどが有望である。

Strategy for Future Research Activity

今後は、有効な核酸効果の再現性について実験を繰り返し、Sdc4-siRNAを含めた4種の核酸のうちどれかひとつは動物実験での効果を検証する。モノクロ―ナル抗体についても正常組織との反応をさらに減弱させたものがとれれば薬剤を付加したADCへの展開も期待されるため、その可能性を追究していく。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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