2023 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸がんに対するiPSC由来キメラ抗原受容体T細胞療法の有効性の検討
Project/Area Number |
21K07249
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
安藤 純 順天堂大学, 医学部, 教授 (60348943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 美樹 順天堂大学, 医学部, 教授 (10424251)
寺尾 泰久 順天堂大学, 医学部, 教授 (00348997)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | B7-H3 / 子宮頸がん / CAR-T療法 / iPS細胞技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸がんの発癌には、HPV(ヒューマンパピローマウイルス)が関与しており、HPVの感染予防にはHPVワクチンが有効だが、日本では2013年にワクチン接種副作用のため接種率がほぼ0%となった。2022年に定期接種が再開されたが、まだ子宮頸がんの罹患数は増加している。また、再発難治性の子宮頸がんでは根治が望めず極めて予後不良であり、有望な治療開発が必要と考える。近年、腫瘍の免疫回避機構を克服するためにキメラ抗原受容体T細胞療法(CART療法)が開発され、急性白血病やリンパ腫に臨床応用され成功を収めている。このCART療法を子宮頸がんに応用できないか考え、子宮頸がん細胞株にB7-H3(CD276)が強陽性であることを確認し、本研究ではB7-H3を標的とする有効で強力なCART療法の開発を目指すための基礎的検討を行う。 令和3年度はレンチウイルスB7-H3-CARプラスミドを作成し、末梢血単核球にB7-H3-ベクターを遺伝子導入し、末梢血B7-H3-CART細胞を作製した。細胞傷害性試験(51Cr放出試験)とリアルタイムセルアナライザーを用いて、子宮頸がん細胞株に対する抗腫瘍効果を確認した。令和4、5年度は、CART療法の問題点であるT細胞疲弊による増殖不良、抗原陰性化による再発などの問題点を克服するため、申請者らが開発してきたiPS細胞技術を応用した。HPV特異的CTLより樹立したiPS細胞にレンチウイルスB7-H3-CARベクターを導入後、分化誘導することにより2抗原をターゲットにしたiPSC由来CART細胞の作成に成功し、末梢血B7-H3-CARTとiPS細胞由来B7-H3-CARTの抗腫瘍効果など比較検討した結果、iPSC由来B7-H3-CARTの高い細胞傷害活性を証明できた。今後は子宮頸がんだけでなく多くのB7-H3発現腫瘍を標的としてその効果を検討する予定である。
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Research Products
(4 results)