2022 Fiscal Year Research-status Report
Basic evaluation and investigation of the factors linked to the long term response to immunotherapies
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21K07252
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
小山 正平 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, ユニット長 (80767559)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害薬 / 末梢血T細胞 / 腫瘍浸潤T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、非小細胞肺がんおよび悪性黒色腫を中心に、免疫チェックポイント阻害薬を投与された症例において、治療が奏功するか奏功しないか、さらに奏功が得られた場合に効果が長期に持続するか持続しないかという観点から、腫瘍浸潤T細胞と末梢血T細胞で共通するT細胞受容体のレパトアと細胞表面マーカーの網羅的解析を行いながら、免疫チェックポイント阻害薬に対する長期奏功と関わるバイオマーカーの樹立を目的としている。 2022年度は、悪性黒色腫に対して免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体単剤もしくは抗PD-1抗体と抗CTLA-4抗体の併用治療)を受けた患者から、治療前後で回収した腫瘍浸潤リンパ球および末梢血を用いて免疫学的解析を行った。腫瘍浸潤T細胞および末梢血T細胞で共通する数種類の表面マーカーをバイオマーカーの候補因子として同定することができ、その長期奏功との関連性について、マウスモデルを用いたメカニズムに関する検討および臨床検体を用いたバイオマーカーとしての有用性評価の検討を進めている。また、非小細胞肺がんに関しては、抗PD-1抗体単剤治療の奏功・非奏功に関わる新たな因子としてSemaphorin4Aに着目し、がん環境における発現が、治療効果の改善に関わることを明らかにした。そのメカニズムとして、CD8陽性T細胞にSemaphorin4Aが作用することで、mTORC1を介したシグナルおよびポリアミン合成が誘導され、抗原特異的なT細胞のエフェクター機能および増殖が改善するとともに、リコンビナント蛋白の投与によって抗PD-1抗体の治療効果が改善することを示しScience Advancesに報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に引き続き、2022年度も非小細胞肺がんに関して抗PD-1抗体単剤治療を受けた症例の奏功例と非奏功例の比較解析によって、奏功に関わる因子として、がん細胞におけるSemaphorin4Aの発現を明らかにし、Science Advancesに報告することが出来た。それに加えて、すでに凍結保存していた長期予後が追跡可能な悪性黒色腫の免疫チェックポイント阻害薬投与症例から腫瘍浸潤T細胞および末梢血T細胞のTCRレパトア解析およびシングルセルRNAシークエンス解析を実施することで、T細胞上の数種類の表面マーカーが長期奏功と関連する可能性を見出すことができた。以上から当初予定していた解析については十分な進捗が得られているだけなく、奏功・非奏功のバイオマーカーとしては想定以上に良好な結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に追加で実施した悪性黒色腫患者から取得した腫瘍浸潤T細胞と末梢血T細胞のTCRレパトア解析およびT細胞表面マーカーの解析をさらに展開するため、治療開始前後で腫瘍浸潤T細胞の保存はなくても、末梢血T細胞の保存がある検体を用いて、表面マーカーが有用であるかを検証するとともに、そのマーカーと免疫チェックポイント阻害剤の治療効果がどのように関連しているのかをマウスの担癌モデルを用いて検討する。腫瘍に抗原を発現させて、抗原特異的なT細胞を標的としてモニタリングし、腫瘍環境および末梢血での動態を検討するとともに、その関連分子が欠損した場合に、それらの抗原特異的T細胞の動態がどのように変化する、長期的なメモリーサブセットの残存という観点からも検討を実施する。
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Causes of Carryover |
物品購入の費用に端数が生じたため、次年度へ繰り越しとした。本年度では、先述のとおり、マウスモデルや追加の臨床検体を用いた検討を実施するため、その解析のための費用として用いる。
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