2023 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation and manipulation of neural networks for adaptive decision making in competitive and cooperative interactions
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21K07258
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 慎吾 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30597951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嵜 圭祐 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60511178)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心の理論 / 脳内他者 / ECoG / 電気生理学 / ニホンザル |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトのような複雑な社会構造を形成するためには、「心の理論」と呼ばれる、自己との相互作用によって変化する他者の心や行動を推測する能力が重要となる。しかしながら、他者の心や行動を推測することができれば自分の行動が決定できるわけではなく、自己と他者の関係や周辺環境に応じて適応的に行動を選択する必要があるが、それを実現する神経回路網についてはいまだ未解明である。本研究では、インタラクティブな実験課題遂行中の神経活動を長期間、高時空間解像度で記録することで、脳内他者シミュレーションを利用した適応的行動選択を実現する神経ネットワークについて検証する。さらに、その神経ネットワークを操作し、他の脳領野や被検体の行動への影響について検証することで、その因果的機能を明らかにすることを目指す。 令和5年度は、 インタラクティブ課題遂行中のニホンザルの行動データと皮質脳波の解析を行った。計算論モデルを当てはめることでサルの行動について検証した結果、サルは対戦相手の性格に応じて脳内他者の性格を変化させていたことや、コンピュータを相手に課題を行っている際よりも、ヒトを対戦相手として課題を行っている際の方が、サルの行動選択に対する対戦相手の行動予測の影響が大きいことが分かった。このニホンザルの前頭前野外側部(LPFC)、前頭前野内側部(MPFC)にそれぞれ64chのECoG電極のインプラントを行い課題中の皮質脳波を解析した。その結果、課題条件やサルの行動に選択的な皮質脳波信号が観察された。
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