2022 Fiscal Year Research-status Report
Missense rare variant analysis of APOE: Exploring the link between lipid metabolism and Alzheimer's disease
Project/Area Number |
21K07271
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮下 哲典 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (60323995)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
他田 真理 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (30646394)
阿部 学 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (10334674)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | アルツハイマー病 / APOE / ミスセンスバリアント / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
アポリポプロテインE遺伝子(Apolipoprotein E:APOE)はアルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)の最も強力な感受性遺伝子である。近年、欧米において、マイナーアリル頻度(Minor Allele Frequency:MAF)が1%未満のAPOEレアミスセンスバリアントに着目した解析が展開されており、ADの病態を左右する重要な発見に結び付いている(例:クライストチャーチバリアント、ジャクソンビルバリアントなど)。しかし、残念ながら、日本人を対象としたそのような解析は全く行われていない。
そこで申請者は本研究プロジェクトを立案し、日本人のAPOEレアミスセンスバリアントの探索を実施している。2022年度は1,000検体以上の剖検脳を解析対象として、APOEの全エクソンシーケンシング(サンガー法)を実施した。剖検脳の臨床・病理診断はADを含め、様々な神経疾患を含む。その結果、複数のAPOEレアミスセンスバリアントを同定した。ヒトゲノムデータベースを参照し、各バリアントのMAFを人種ごとに調べた。興味深いことに、日本人を含む東アジア人にのみ認められるレアミスセンスバリアントの存在が明らかとなった。本結果をベースに、今後、培養細胞や遺伝子編集マウスを用いた機能解析へと展開する。APOEレアミスセンスバリアントが、ADの神経病理学的特徴である老人斑や神経原線維変化の形成過程にどのような影響を与えるのかを脂質代謝の観点から明らかにする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト剖検脳を対象にAPOEのレアミスセンスバリアンを具体的に同定することができたから。
|
Strategy for Future Research Activity |
全国各地の日本ブレインバンクから提供されるヒト剖検脳を解析対象として、継続して、APOEレアミスセンスバリアンとの探索を行う。日本人で優先的に認められるレアミスセンスバリアンについては、培養細胞を用いた強制発現実験や遺伝子編集マウスの作出へと展開する。また、レアミスセンスバリアン保因者の剖検脳について、免疫組織化学染色を行い、老人斑や神経原線維変化との共局在の程度などを調べる。
|