2023 Fiscal Year Annual Research Report
Missense rare variant analysis of APOE: Exploring the link between lipid metabolism and Alzheimer's disease
Project/Area Number |
21K07271
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮下 哲典 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (60323995)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
他田 真理 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (30646394)
阿部 学 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (10334674)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | アルツハイマー病 / 感受性遺伝子 / APOE / バリアント / レアミスセンスバリアント / コモンレアミスセンスバリアント |
Outline of Annual Research Achievements |
アポリポプロテインE遺伝子(Apolipoprotein E:APOE)はアルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)の強力な感受性遺伝子である。近年、欧米において、マイナーアリル頻度(Minor Allele Frequency:MAF)が1%未満のAPOEレアミスセンスバリアント(rare missense variants:RMVs)に着目した解析が展開されており、ADの病態を左右する重要な発見に結び付いている(例:ピッツバーグバリアント、クライストチャーチバリアント、ジャクソンビルバリアントなど)。しかし、2020年の時点で、日本人を対象としたそのような解析は全く行われていなかった。
そこで申請者は本研究プロジェクトを立案し、日本人のAPOE RMVsの探索を実施した。本研究プロジェクト期間中に1,000例以上の剖検脳、2000例以上の臨床検体を解析対象として、APOEのエクソンに位置するバリアントを精査した。解析対象にはADを含め、様々な神経疾患が含まれる。その結果、複数のAPOE RMVsを同定した。ヒトゲノムデータベースを参照し、各バリアントのMAFを人種ごとに調べた。興味深いことに、日本人を含む東アジア人にのみ認められるRMVsの存在が明らかとなった。これらRMVsと末梢リポタンパクとの関連についても、興味深い知見が得られた。
本成果をベースに、RMVsを有するAPOE cDNAプラスミドを構築し、現在、その機能解析を計画している。APOE RMVsとアミロイドベータタンパク・タウタンパクとの関連は無視できないので、それらを考慮した実験系の構築も試みる。また、マウスモデル、ヒト剖検脳を用いた解析も行う。
|