2022 Fiscal Year Research-status Report
異常なストレス顆粒によるTDP-43凝集体の誘導機構の解明
Project/Area Number |
21K07291
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
垣花 太一 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60746907)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ストレス顆粒 / ALS / 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は、脳幹と脊髄の運動神経細胞の機能障害と細胞死、それによって引き起こされる運動障害を特徴とする神経変性疾患である。TDP-43は家族性および弧発性ALSの原因タンパク質である。ALSの運動神経細胞では、ユビキチン化したTDP-43が細胞質に凝集体を形成し、この凝集体が神経細胞の機能不全と細胞死を誘導し、ALSを発症する。ストレス顆粒はストレス下で一過性に形成される非膜オルガネラである。最近ユビキチン化TDP-43の凝集体形成にストレス顆粒が関与することがわかってきた。本研究の目的は、ストレス顆粒形成の品質管理機構を明らかにし、ALSにおけるTDP-43凝集体形成のメカニズムを明らかにすることである。一昨年度にあげた研究成果(Kakihana, iScience, 2021、Takahashi, Mol Cell Biol, 2022、Sango, J Biol Chem, 2022)で得られた知見を統合し、全く新しい研究成果を得つつある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画の大部分を論文として研究発表し、新しい知見を得つつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ストレス顆粒形成がいかに制御され、ALSなどの神経変性疾患の発症にいかに関与するのかを明らかにする。これまでとは異なる観点からの解析を行い、ストレス顆粒が内包する未知の機能を明らかにし、これがいかに神経変性疾患に関連するかを明らかにする。
|
Causes of Carryover |
次年度に遺伝子解析を予定しており、そのための予算を確保するため。
|