2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a brain environment model and pathological detection system as a basis for iPS cell analysis in Parkinson's disease
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21K07301
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
志賀 孝宏 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (50784378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 里紗 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (90614248)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 老化 / 病態モデル / パーキンソン病 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経変性疾患に対するアプローチとしてiPS細胞を用いた神経変性疾患モデルの研究が多く報告されているが、患者剖検脳に見られる病態を確認できている例はほとんど存在しない。本研究計画の目的は、申請者が確立している①老化を促進させる低分子化合物、②効率的なグリア系細胞への誘導、③ゲノム編集を用いた最適モデルの構築の3つの技術を応用して、平面上に高齢期の脳構造を模倣した新たなデバイスを作成し、高齢発症神経変性疾患の病態解析に応用することを目指す。 2021年度は、CRISPR-Cas9システムを用いてSNCA遺伝子(αシヌクレインをコードする遺伝子)に変異を有するPARK1-iPS細胞を2株作製している。また、SNCAにアフィニティータグを挿入したゲノム編集株も並行して作成中である。 脳内環境を模倣したニューロン・グリア共培養システムの構築では、グリア誘導法を改良することにより、いくつかの遺伝性パーキンソン病iPS細胞からアストロサイトを誘導することに成功した。この技術により、疾患iPS細胞から誘導したニューロン・アストロサイトの共培養が可能となった。共培養を行うことで、神経発火を早く検出することが可能であることも確認した。現在は、このモデルを用いてαシヌクレインなどの病態特異的な表現系の検出行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数のゲノム編集iPS細胞の作製と並行して、健常者iPS細胞・疾患iPS細胞による共培養系のシステムの構築ができたため概ね順調に進んでいる。また、同定している老化促進化合物を用いて時間軸(加齢)を考慮した脳内環境モデルの構築も確立しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム編集により作成したPARK1-iPS細胞を用いた共培養システムにより、経時的な染色画像を取得しαシヌクレイン伝播や凝集の可視化を行うことで、剖検脳に類似した病態表現型を取得することができるかを検証する。また、他の遺伝性パーキンソン病iPS細胞を用いて、老化促進化合物(時間軸)・共培養を用いて、ゲノム編集株と同様に剖検脳に類似した病態表現型を取得することを目指す。
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