2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of molecular pathogenesis of TTR amyloid neuropathy
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21K07307
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
村上 龍文 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (30330591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
大澤 裕 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80246511)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヒトトランスサイレチン遺伝子 / 修復シュワン細胞 / アミロイドニューロパチー |
Outline of Annual Research Achievements |
家族性アミロイドニューロパチー(FAP)では異型トランスサイレチン(TTR)が末梢神経に沈着し、神経障害を起こすがその病態機序は不明である。我々はこれまでシュワン細胞でTTR遺伝子を発現しているのを見出し、異型TTR遺伝子発現疾患モデルマウスのDRG由来の不死化シュワン培養細胞TgS1を確立し、シュワン細胞の神経障害への関与について研究をすすめてきた。令和3年度はこのTgS1を用い、シュワン細胞増殖培地(SCM)と通常の培養細胞培地(CM)で培養し、RNAを抽出し、TTR遺伝子とシュワン細胞分化マーカーの遺伝子発現をqRT-PCRで調べた。 TgS1はCM培地では増殖が停止し、細長い形態を呈した。TTR遺伝子は約1600倍と著明に増加し、分化マーカーではミエリン蛋白であるMpZは減少し、Sox10やNgfrは増加していた。次に修復シュワン細胞マーカー遺伝子の発現を定量したところ、c-Jun、Sox2、Gdnfは増加していた。さらに免疫細胞染色とウエスタンブロット法でTTR 蛋白の細胞内局在と分泌を調べると、TTR蛋白はGolgiに局在しており、細胞外に分泌されていた。最後に熱ショック因子1(Hsf1)遺伝子発現をsiRNAで本来の30%まで低下させたがTTR遺伝子発現には影響を及さなかった。 TgS1はCMでreprogrammingされ、修復細胞の表現型を呈し、TTR遺伝子発現が著明に増加し、分泌することが明らとなった。FAPでは末梢神経軸索障害で、成熟シュワン細胞が修復シュワン細胞へ変化し、TTR産生が著明に増加し、分泌され、末梢神経内膜へのTTR沈着を増強していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究でTgS1はCMでreprogrammingされ、修復シュワン細胞の表現型を呈し、TTR遺伝子発現が1600倍と著明に増加し、細胞外に分泌することが明らとなった。これはFAPでは異型TTRが末梢神経に沈着し、神経障害を起こす大きな理由であると思われる
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Strategy for Future Research Activity |
CMでreprogrammingされ、TTR遺伝子発現が著明に増加しているTgS1を用い、Hsf1遺伝子発現をsiRNAで低下させ、異型TTRを凝集させる。TTRの細胞内沈着や細胞周囲への凝集を観察する。また細胞死の有無を調べる。 また修復シュワン細胞のマスター転写因子であるc-JunのsiRNAで、TTR遺伝子発現が低下するか調べる。さらにヒトTTR遺伝子上流のプロモーター配列のc-Jun結合部位を解析する。
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Causes of Carryover |
Open access 論文投稿代として準備しておいたが、acceptを受けることができなかったので、次年度使用となった。翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画は、主に人件費に充てる予定である。
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Research Products
(5 results)