2023 Fiscal Year Annual Research Report
Impact of cysteine modifications of apolipoprotein E on the remnant lipoprotein metabolism
Project/Area Number |
21K07310
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山内 一由 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (70419414)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | apoE / LRP1 / Cys基 / レドックス状態 / リポ蛋白代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
apoEにはE2(Cys112/158)、E3(Cys112,Arg158)、E4(Arg112/158)の3アイソフォームが存在し、アルツハイマー病(AD)など様々な疾患の罹患性に差を生じさせているがその機序は不明である。apoE含有リポ蛋白(apoE-LP)の代謝を担うLRP1 はADの発症にも関与していることからapoEアイソフォームを識別していると考えられるがその詳細は不明である。また、Cys基の酸化修飾はタンパク質の機能に変化をもたらすが、apoEへの影響については不明である。本研究では、レドックス修飾した各apoEアイソフォームを蛍光標識エマルジョンと反応させて作製した疑似LPをヒト線維芽細胞 (LRP1+/LDLR-)の培養液中に添加し、LRP1との結合性とクリアランス/異化能を評価し、LRP1とapoEとの相互作用に及ぼすapoEアイソフォームおよびCys基のレドックス修飾の影響について検討した。その結果、1)LRP1との結合性は E3>E4>E2、クリアランス能/異化能はE3≒E2>E4とアイソフォーム間で有意な違いが認められた。2)Cys基の還元はE3の結合性を増強しクリアランス/異化能を減弱させたが、E2では影響が認められなかった。3)ジスルフィド結合形成はE3の結合性を増強したが、E2では影響が認められなかった。4)ジスルフィド結合を介したapoAIIとの複合体形成によりE2の結合性は減弱し、クリアランス/異化能は増強したが、E3では影響が認められなかった。5)E4にはいずれのレドックス処理も影響しなかった。以上の結果より、LRP1を介したapoE-LP代謝はapoE分子におけるCys基の有無とCys基のレドックス状態の影響を受けて調節されており、Cys基をもたないE4ではその調節機構が本質的に欠落していると考えられた。
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Research Products
(7 results)