2022 Fiscal Year Research-status Report
ナノDDSを応用した腎毒性を低減できる新規ヨード造影剤の開発と体内動態の解明
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21K07323
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
越智 朋子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60773273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 宏水 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70318830)
西尾福 英之 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80458041)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ナノDDS / リポソーム / ヨード造影剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
造影剤を用いることで画像診断の精度は高まり、様々な疾患の診断法に実用化されている。しかし、本邦では高齢化や慢性腎不全患者の増加が急速に進んでいるため、ヨード造影剤による腎障害が問題となっている。 本研究では、一般にリポソームの粒子径は100-300 nm程度に調節でき、腎糸球体で濾過されることはないことに着目し、ヨード造影剤をリポソームに内包させて投与すれば、ヨード造影剤の腎毒性を回避できると考えるに至った。一般的なリポソーム調製法では、高粘度ヨード造影剤を内包させることは難しいが、様々なリポソーム調製法を検討し、極めて簡単に高濃度・高粘度水溶性ヨード造影剤を内包したリポソームを大量に調製する方法を確立した。 未処置ラット、5/6腎摘出ラットにイオパミドール、イオパミドール含有リポソーム (IPL)を投与し、腎機能への影響を評価した。この結果、イオパミドール大量投与群では、未処置ラット、5/6腎摘出ラットともに造影剤投与後に腎機能の悪化が見られたが、腎不全モデルである5/6腎摘出ラットにIPLを大量に投与しても腎機能への影響や腎の組織学的変化は見られず、イオパミドールに比べてIPLの腎毒性が低いことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの結果に文献的な考察を加えて論文にまとめ、Biochemistry and Biophysics Reports誌に掲載された。(Biochemistry and Biophysics Reports Volume 34, July 2023, 101473)
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Strategy for Future Research Activity |
・アレルギー反応の評価 10週齢のWKAH雄性ラットに11.2ml/kgのIPLを投与する。各群(n=3); 投与前、投与後6時間、1日、3日、7日の5の時点での採血を行い、血球数(赤血球,血小板,白血球)、リンパ球、単球、顆粒球、CD4+/CD8+比、補体価を測定する。 ・造影剤としての性能評価 ア)イオメプロール含有リポソーム(Iomeprol- Liposome; IPL)の可視化:ナノDDS造影剤の可視化に向け、腎機能正常ラットと腎不全ラットの2群で比較し、動物CTを用いて各臓器の造影後の濃染のタイミングや強さ(CT値)、造影剤停滞時間について、既存の造影剤と比較する。 イ)IPLの造影剤としての特異性の検証:研究分担者の西尾福英之が所有しているラットの腫瘍モデル【図4】を用いて、腫瘍の検出能について評価することでIPLの特異性についても検証する。ラット大腸癌転移モデルを使用。Fisherラットに大腸がん株RCN-9、1×10*7個の細胞を肝に直接注入し肝腫瘍を、下大静脈内に直接注入し、肺腫瘍を作成する。経静脈的にIPLを投与し、全身CTを撮像し、腫瘍の描出能・造影剤の集積程度について評価し、正常組織と腫瘍組織で造影剤の動態の違いについて検証する。
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Causes of Carryover |
論文投稿作業および実験器具購入の遅れにより当該年度に予定されていた実験が予定通りにすすまなかったため。
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Research Products
(1 results)