2021 Fiscal Year Research-status Report
疾患進行を示す膠原病関連間質性肺疾患の画像解析:胸部CTの新たな診断基準の策定
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21K07333
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
川口 貴子 産業医科大学, 医学部, 修練指導医 (00893744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (30248562)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 関節リウマチに伴う間質性肺疾患 / 膠原病に伴う間質性肺疾患 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「疾患進行を示す膠原病に伴う間質性肺疾患の画像解析」が目的である。2021年度は、膠原病の中でも最も罹患率の多い、関節リウマチに伴う間質性肺疾患に対して研究を進めた。 今回注目した関節リウマチは膠原病の中でも呼吸器疾患の合併頻度が高く、関節リウマチに伴う間質性肺疾患(rheumatoid arthritis-associated interstitial lung disease : RA-ILD)は進行すると、日常生活動作の低下を来し、患者の生命予後を左右する重要な合併症の一つである。このRA-ILDの治療は従来ステロイドや免疫抑制剤などの抗炎症療法が主体であったが、2020年5月より呼吸器症状や画像所見の悪化、肺機能の低下を呈する疾患進行を示すフェノタイプ(進行性RA-ILD)に対して抗線維化薬の使用が可能となった。しかし、進行性RA-ILD患者の臨床的特徴や進行リスク因子は明らかになっていない。 また進行性RA-ILDの画像診断基準は「胸部CTにおける線維性変化の増加」と抽象的であり、具体的な評価基準がないことが臨床現場で問題となっている。近年画像診断支援ソフトウェアによる胸部CTの定量的評価が肺機能と相関するという報告があり、RA-ILDの進行の評価として、画像診断支援ソフトウェアの有用性が注目されている。 本研究の目的は、肺機能低下を呈する進行性RA-ILD患者の臨床的特徴を解明し、画像診断支援ソフトウェアを用いて進行性RA-ILD患者に特徴的な画像所見の定量化を行い、具体的な画像診断基準を提案することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【方法】2011年から2018年の8年間に当院で関節リウマチに伴う間質性肺疾患と診断され、肺機能検査や画像検査が利用可能な171人を対象とし、患者背景や疾患活動性、肺機能検査、画像所見を収集した。そして、①関節リウマチに伴う間質性肺疾患患者の肺機能低下に関連する因子の探索と、②進行性の関節リウマチに伴う間質性肺疾患患者に特徴的な画像所見の抽出について、後方視的検討を行った。なお線維化所見の画像評価としては、胸部HRCTにおける視覚的な評価(fibrosis score)と画像診断支援ソフトウェア「SYNAPSE VINSENT」を用いた定量評価の2つの方法を用いて行った。 【結果】①関節リウマチに伴う間質性肺疾患患者において、高齢、疾患活動性の悪化、fibrosis scoreの増加が、肺機能低下に関連する因子であった。②画像診断ソフトウェアを用いた結果、進行性関節リウマチに伴う間質性肺疾患患者において、両下葉の平均肺野濃度上昇及び肺容積減少を認めた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、疾患活動性及び胸部CTにおけるfibrosis scoreの悪化が、膠原病の中でも罹患率の多い関節リウマチに伴う間質性肺疾患患者の肺機能低下と相関することが示唆された。「線維化スコア」の定量化については、進行性の関節リウマチに伴う間質性肺疾患患者で認めた平均肺野濃度上昇を数値化し、「線維性変化の増加」の具体的な評価基準となるように今後も検討を進める。また関節リウマチ以外の膠原病患者についても症例集積を行い検討を進める。
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Causes of Carryover |
画像診断支援ソフトウェア「SYNAPSE VINCENT」を購入する予定であったが、当院で保有している「SYNAPSE VINCENT」が使用可能であり、現在こちらを利用して画像解析を行っている。今後「SYNAPSE VINCENT」のバージョンが改訂される予定であり、その改訂された「SYNAPSE VINCENT」の購入を検討する。
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Research Products
(1 results)